夏の家庭菜園で主役級の活躍を見せてくれるツルムラサキですが、
実は単独で育てるよりも、他の野菜と一緒に植えることで、
お互いに驚くようなメリットを生み出すことができるのをご存知でしょうか。
「コンパニオンプランツ(共栄作物)」という栽培テクニックを取り入れれば、
限られた畑やプランターのスペースを有効活用できるだけでなく、
夏野菜にありがちな病気や害虫の被害を、農薬を使わずに減らすことも夢ではありません。
特にトマトやナスといった人気の夏野菜との相性は抜群で、
まるでパズルのように組み合わせることで、
お互いの成長を助け合う最強のパートナーシップを築くことができます。
一方で、何も知らずにキュウリやトウモロコシなどと一緒に植えてしまうと、
ツルが絡まって収拾がつかなくなったり、栄養を奪い合って共倒れになったりと、
思わぬ失敗を招くこともあります。
だからこそ、植え付け前の「作戦会議」がとても大切なんです。
今回は、私が実際に自分の畑で試行錯誤して見つけた「本当に効果があった組み合わせ」や、
ベランダ菜園でも実践できる具体的な配置プラン、
そして失敗しないための注意点について、成功談も失敗談も交えながら詳しくお話ししますね。
この記事で分かること
- ツルムラサキと相性抜群の夏野菜とその科学的な理由がわかる
- 農薬に頼らず病害虫を自然に防ぐための具体的な混植テクニックを学べる
- 失敗を避けるための栽培レイアウトや、絶対にやってはいけない組み合わせを理解できる
- プランター栽培でも実践できる、省スペースで効率的な配置術を知れる
ツルムラサキとコンパニオンプランツの相性が良い野菜

ツルムラサキの最大の特徴といえば、
なんといってもその「圧倒的な生命力」と「耐暑性」です。
他の葉物野菜が暑さで溶けてしまうような日本の酷暑でも、ツルムラサキだけは涼しい顔をして元気に育ってくれますよね。
この強靭なパワーをうまく利用して、他のデリケートな野菜を守ったり、
生育を助けたりする組み合わせをご紹介します。
特に相性が良いのは、同じ夏に収穫を迎えるナス科の野菜たちです。
トマトやナスと植えるメリット

トマトやナスといったナス科の野菜は、夏の家庭菜園の絶対的なエースですが、
高温乾燥や連作障害、そして突然の病気になやまされることも多いですよね。
私自身も、梅雨明けの乾燥でナスがボロボロになってしまった経験が何度もあります。
そんな時、救世主となってくれるのがツルムラサキなんです。
まず大きなメリットとして、空間を立体的に無駄なく使えるという点が挙げられます。
トマトやナスは支柱を立てて縦に大きく育ちますが、成長するにつれて株元(足元)がスカスカに空いてしまいがちです。
直射日光が土に直接当たると、地温が上がりすぎて根が弱ったり、水分がすぐに蒸発して乾燥ストレスを与えたりしてしまいます。
そこで、この空きスペースにツルムラサキを這わせたり、畝の肩(端っこ)に植えたりすることで、
ツルムラサキの葉が地面を覆う「リビングマルチ(生きたマルチ)」として機能してくれるんです。
ナス科の野菜を育てる上で私が一番気をつけているのが「土作り」です。
特にナスやトマトは根を深く張るので、土が固いとコンパニオンプランツの効果も半減してしまいます。
以前はクワで必死に耕していましたが、腰を痛めてからは文明の利器に頼ることにしました。
ホンダのミニ耕運機なんですが、これで深くまでフカフカにしておくと、ナスもツルムラサキも根張りが全然違います。
ホンダ(Honda) 耕うん機 FG201
家庭菜園レベルならこれで十分すぎるパワーです。これを使うようになってから、深く根を張るナス科野菜の収穫量が倍増しました。
初期投資はかかりますが、整体に通う回数が減ったので元は取れています。
リビングマルチのすごい効果
ツルムラサキが地表を覆うことで、土の水分蒸発を抑え、適度な湿り気を保ってくれます。
ナスは「水で育てる」と言われるほど乾燥を嫌う野菜なので、
ツルムラサキが足元で湿度を保ってくれるおかげで、
皮が硬くなったりツヤがなくなったりする「ボケナス」の予防にもつながりますよ。
さらに、雨が降った時の泥はねも防げるので、土壌からの病原菌の侵入もブロックしてくれます。
また、根を張る深さや養分の好みが違うのも重要なポイントです。
これを専門用語で「空間的ニッチの分割」なんて言ったりしますが、要するに土の中で喧嘩しにくいということです。
ナス科の野菜は比較的深く根を張りますが、ツルムラサキも根を広げるものの、
養分吸収のピークや必要とする微量要素のバランスが少し異なると言われています。
そのため、同じ畝に植えても肥料を取り合って弱ってしまうことが少ないんです。
ただし、注意点もあります。どちらも大きく育つ野菜なので、あまりに近づけすぎるとお互いに窮屈になってしまいます。
最低でも株間は30cm〜40cmは離して植えるようにしてください。
私はいつも、畝の中央にナスを植えて、畝の斜面(法面)に近い位置にツルムラサキを植えるようにしています。
こうすれば、ナスは上に、ツルムラサキは横や斜めに広がるので、お互いにのびのび育ってくれますよ。
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ニラとの混植で病気を防ぐ

「病気予防のために何か一つだけ混植するなら?」と聞かれたら、
私は迷わず「ニラ」と答えます。
それくらい、ニラとツルムラサキ(というより野菜全般)の相性は最強です。
これにはしっかりとした科学的な裏付けがあるんです。
実は、ニラの根っこには「バークホーデリア・グラジオリー(Burkholderia gladioli)」やシュードモナス属といった、
植物にとって良い働きをする微生物(拮抗菌)が共生しています。
これらの微生物は、土の中にいる悪い病原菌、
特にフザリウム菌などが引き起こす「つる割病」や「立枯病」、
「青枯病」といった怖い病気の増殖を抑える抗生物質のようなものを出していることが分かっています。
つまり、ニラを植えることは、土の中に天然の病院を作るようなものなんです。
ツルムラサキは高温多湿を好みますが、日本の夏特有のジメジメした環境や排水の悪い土壌では、
根腐れや立枯れを起こすリスクもゼロではありません。
そこで、ツルムラサキを定植する時に、その株元にニラを3〜4本まとめて植えてみてください。
ポイントは、根と根が触れ合うくらい密着させて植えることです。
ニラの根がツルムラサキの根に絡みつくことで、拮抗菌がツルムラサキの根圏を守るバリアを張ってくれます。
また、病気だけでなく害虫対策としてもニラは優秀ですが、
それでもアブラムシなどが心配な場合は、植物由来の天然成分でできた忌避剤を併用するのも一つの手です。
私はニラを植えつつ、予防的にニームオイルを希釈して散布しています。
天然の虫除け対策
ダイコー ニームオイル 100ml
農薬を使いたくない菜園派の必需品です。ニラのコンパニオンプランツ効果に加えて、これを定期的にシュッとしておくと、アブラムシやハダニが寄り付きにくくなります。独特の香りはありますが、効果はてきめんです。
ニラ活用術のコツ
コンパニオンプランツとして使うニラは、スーパーで売っているような立派なものである必要はありません。
一度植えれば何年もその場に居座ってくれるので、私は「捨て植え」感覚で植えっぱなしにしています。
もちろん、伸びてきたら刈り取って餃子やニラ玉に使えますし、刈り取った時の刺激臭がさらに害虫を遠ざけてくれるので、
一石二鳥どころか一石三鳥くらいのメリットがあります。
マリーゴールドでセンチュウ対策

家庭菜園を長く続けていると必ず直面するのが、「ネコブセンチュウ」という目に見えない敵の問題です。
土の中に潜んでいて、野菜の根っこにコブを作り、養分の吸収を阻害して枯らせてしまう厄介者です。
ツルムラサキも例外ではなく、連作を続けたりするとこのセンチュウの被害を受けることがあります。
ここでおすすめしたいのが、花壇の定番「マリーゴールド」です。
「えっ、花を植えるの?」と思われるかもしれませんが、マリーゴールドはただ可愛いだけではありません。
特に「フレンチ種」や「アフリカン種」と呼ばれる種類のマリーゴールドの根からは、
α-ターチエニル(alpha-terthienyl)という成分が分泌されています。
この成分は、なんと土の中のセンチュウに対して強い殺虫・抑制効果を持っているんです。
研究データでもその効果は実証されており、多くの農家さんが土壌改良のために導入しています
(出典:農林水産省『生物的防除の導入事例』)
使い方は簡単で、ツルムラサキの株間や、畝の端っこにマリーゴールドを植えておくだけです。
これだけで、土の中をきれいにしてくれる「土壌浄化作用」が期待できます。
さらに、マリーゴールドの花には、アブラムシを食べてくれるテントウムシやヒラタアブ、
寄生蜂といった天敵昆虫を呼び寄せるバンカープランツとしての機能もあります。
花粉や蜜を目当てに集まってきた天敵たちが、ついでにツルムラサキについた害虫も退治してくれるわけです。
ちなみに、センチュウ対策としてはマリーゴールドが最強ですが、
土壌のバランス全体を整えるなら、植物活力剤を少し足してあげるのも良いでしょう。
私は長年「HB-101」を使っていますが、これを使い始めてから、マリーゴールドの育ちも、メインの野菜の育ちも明らかに変わりました。
土作りの仕上げに
フローラ 植物活力剤 HB-101 100cc
「高いけど効く」でおなじみの活力剤です。マリーゴールドとの合わせ技で、土の中の微生物バランスを整えています。数滴混ぜるだけで良いので、一本あるとかなり長持ちしますよ。
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植物本来の力を最大限に引き出せます。
オクラやピーマンの混植活用
オクラやピーマンも、ツルムラサキとうまく共存できる夏野菜の代表格です。
特にピーマンはナスと同じナス科なので、基本的な相性の良さやメリットは先ほどお話ししたナスの場合と同様です。
ピーマンは枝が細くて折れやすく、極度の乾燥や強い直射日光が続くと実が日焼けしたり、株が弱ったりするデリケートな一面があります。
そこで、ツルムラサキを近くに植えて適度に周囲を覆わせることで、
真夏の強烈な西日や乾燥から守る「グリーンカーテン」兼「ガード役」になってもらうことができます。
ただし、ツルムラサキの勢いが凄すぎてピーマンを飲み込んでしまわないよう、誘引には注意が必要です。
一方、オクラは背が高く育つ野菜です。ツルムラサキもツルを伸ばせば高くなりますが、
オクラの成長スピードも負けていません。
この二つを混植する場合のポイントは、「日当たりの確保」です。
オクラの大きな葉がツルムラサキに影を落としすぎないよう、
あるいは逆にツルムラサキがオクラに巻き付かないよう、配置を工夫します。
一般的には、畝の中央にオクラを一列に植え、その両脇や株間にツルムラサキを配置するのがスムーズです。
また、ツルムラサキもピーマンもオクラも、夏場は支柱が必須になります。
特にツルムラサキは成長するとかなり重くなるので、ヤワな支柱だと強風で倒れてしまいます。
私は毎年、台風対策も兼ねて少し太めのしっかりした菜園パイプセットを使っています。
倒伏防止に必須
第一ビニール DAIM ガーデンアグリパイプ 果樹棚セット
本来は果樹用ですが、ツルムラサキやオクラのような背が高く重くなる野菜にはこれくらい頑丈な棚や支柱が安心です。組み立て式で設置も簡単なので、台風シーズンもヒヤヒヤせずに済みます。
| 組み合わせ | 相性 | 主なメリットと注意点 |
|---|---|---|
| ピーマン | 良 | 乾燥防止と空間活用に最適。ピーマンの枝は折れやすいので、ツルムラサキが巻き付かないよう支柱は別々に立てるのが鉄則。 |
| オクラ | 可 | どちらも高温を好み、同時期に収穫を楽しめる。オクラの収穫時にツルムラサキのツルが邪魔にならないよう、誘引方向を決めておくこと。 |
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ラッカセイで雑草と乾燥を防ぐ

「夏場の草取りが本当に辛い…」という方に、私が全力でおすすめしたいのが、
ラッカセイ(落花生)との混植です。
ラッカセイは、上に伸びるのではなく、地面を這うように横へ横へと広がって育つ性質があります。
この性質を利用して、ツルムラサキの足元をラッカセイで埋め尽くしてしまうのです。
こうすると、地面に日光が当たらなくなるので、雑草の種が発芽できなくなります。
つまり、天然の防草シートのような役割を果たしてくれるわけです。
さらにすごいのが、ラッカセイはマメ科の植物だという点です。
マメ科の植物の根には「根粒菌(こんりゅうきん)」という特殊な菌が住み着いていて、
空気中の窒素を取り込んで、植物が使える栄養分に変えて土の中に供給してくれます。
ツルムラサキは、美味しい葉や茎を次々と伸ばすために、
肥料(特に窒素分)をたくさん必要とする「食いしん坊」な野菜です。
そこにラッカセイがせっせと窒素を供給してくれるわけですから、これほど理にかなった組み合わせはありません。
ラッカセイが地面を覆うことで土の水分も保たれるので、水を好むツルムラサキにとっては最高の環境になります。
トリプル効果のまとめ
1. 雑草抑制:地面を覆って雑草が生える隙間をなくす。
2. 乾燥防止:土の水分蒸発を防ぎ、水やりの手間を減らす。
3. 肥料供給:根粒菌の働きで、ツルムラサキに必要な窒素を供給する。
まさに一石三鳥!収穫時にはツルムラサキの葉とラッカセイ(茹で落花生など)の両方が楽しめるので、お得感も満載です。
ツルムラサキのコンパニオンプランツ栽培の注意点
ここまで「相性の良い野菜」ばかりを紹介してきましたが、コンパニオンプランツは魔法ではないので、
組み合わせを間違えると逆効果になることもあります。
ツルムラサキはその強靭な生命力が魅力ですが、裏を返せば「強すぎて相手を負かしてしまう」リスクも秘めているのです。
キュウリなど相性の悪い野菜

絶対に避けるべきなのが、キュウリやゴーヤ、カボチャといったウリ科のつる性植物との混植です。
「同じつる性同士だから気が合うんじゃない?」と思うかもしれませんが、
現実はその逆で、壮絶なナワバリ争いが勃発します。
最大の理由は、場所と栄養の激しい奪い合いです。
キュウリもツルムラサキも、支柱やネットを見つけると我先にとツルを伸ばして絡みつきます。
これらを近くに植えてしまうと、お互いのツルが複雑に絡まり合って「知恵の輪」状態になり、
どちらの葉なのか見分けがつかなくなります。
こうなると整枝や収穫作業が著しく困難になるだけでなく、
風通しが悪くなってうどんこ病などの病気が蔓延する温床になってしまいます。
さらに、どちらも水と肥料を大量に消費する「大食漢」です。
土の中では根っこ同士が水分と養分を巡って争い、結果として共倒れになり、
どちらも実や葉が小さくなってしまう可能性が高いです。
私は過去にこれをやってしまい、キュウリがツルムラサキの勢いに負けて早々に枯れてしまった苦い経験があります。
どうしても同じ時期に育てたい場合は、畝を分けるか、少なくとも2メートル以上は離して栽培することをおすすめします。
その他のNG例と理由
・トウモロコシ:背が高く、濃い影を作ります。好日性(光が大好き)なツルムラサキの近くに植えると、日照不足でツルムラサキがヒョロヒョロに徒長してしまいます。
・ジャガイモ:ジャガイモの収穫時期とツルムラサキの生育期が重なる上、ツルムラサキの旺盛な根がジャガイモの塊茎(イモ)の肥大を物理的に邪魔してしまう可能性があります。
プランターでの寄せ植え配置術

マンションのベランダなどでプランター栽培を楽しんでいる方も多いと思います。
土の量が限られているプランターでは、露地栽培以上に慎重なレイアウト設計が求められます。
欲張って「トマトもナスもツルムラサキも全部一つのプランターで!」というのは、
根詰まりと肥料切れの原因になるのでNGです。
プランターでおすすめなのは、「ツルムラサキ × ニラ」または「ツルムラサキ × ラディッシュ(二十日大根)」のような、
小規模で互いに邪魔しない組み合わせです。
まず、プランターは深さが30cm以上ある大型のもの(容量35L以上の65cmプランターや深型ポット)を用意しましょう。
ツルムラサキは根を深く張るので、浅いプランターではすぐに根詰まりしてしまいます。
私が色々試した中で一番良かったのが、リッチェルの深型プランターです。
通気性が抜群で、野菜の根腐れが劇的に減りました。
根張りが違うおすすめプランター
リッチェル 緑のやさいプランター 50型 グリーン
深さがしっかりあるので、ツルムラサキのように根を張る野菜には最適です。
サイドに通気孔があるので、真夏のベランダの熱気で根が茹だってしまうのを防いでくれます。
コンパニオンプランツをするなら、このサイズが最低限必要かなと思います。
このプランターにツルムラサキを2株植える場合、その株と株の間や、プランターの四隅にニラを配置します。
これなら場所を取らずに病気予防効果が得られます。
また、ツルムラサキが大きくなるまでの初期段階で、株間の空きスペースにラディッシュ(二十日大根)の種をまくのも賢い方法です。
ラディッシュはすぐに収穫できるので、場所を無駄にしません。
アブラムシ対策と虫除けの工夫
ツルムラサキは病害虫に強いと言われますが、新芽の柔らかい部分にはアブラムシがつくことがあります。
また、夜間にこっそり現れて葉っぱを穴だらけにするヨトウムシ(ヨトウガの幼虫)も油断できない敵です。
農薬を使いたくない場合は、コンパニオンプランツ以外の物理的な対策も組み合わせる「合わせ技」で対抗しましょう。
アブラムシ対策として有効なのが、光を嫌う性質を利用した「シルバーマルチ」の敷設です。
銀色のマルチシートを株元に敷くと、太陽光が反射して葉の裏を照らすので、アブラムシが寄り付きにくくなります。
また、株元にニラやネギなどの香りの強い植物を植えるのは先ほど紹介しましたが、
それに加えて、テントウムシやヒラタアブといった天敵を呼び寄せる環境づくりも大切です。
畑の近くにカモミールやマリーゴールドを植えておくと、これらの天敵が住み着きやすくなります。
発見次第こまめに手や粘着テープで取り除くのが基本ですが、
こうした「生態系防除」の仕組みを作っておくと、大発生のリスクをぐっと減らすことができます。
ちなみに、ツルムラサキは水をとても好むので、乾燥させると株が弱って虫がつきやすくなります。
毎日の水やりが大変な方や、旅行で家を空けることがある方は、自動水やり機を導入すると世界が変わりますよ。
水やりの手間をゼロに
タカギ(takagi) 自動水やり かんたん水やりタイマー
夏の朝夕の水やりから解放されます。特にツルムラサキは水切れすると葉が硬くなるので、これで一定の湿度を保ってあげるのが美味しく育てるコツです。一度使ったら手放せなくなります。
後作におすすめのリレー栽培
家庭菜園で気になるのが「連作障害」です。
同じ場所で同じ科の野菜を植え続けると、土のバランスが崩れて育ちが悪くなります。
しかし、ツルムラサキは「ツルムラサキ科」という、野菜の中では比較的マイナーな科に属しています。
これが実は大きなメリットで、主要な野菜(ナス科、ウリ科、アブラナ科、マメ科)のどれとも科が被らないため、
輪作の「つなぎ役(クリーニングクロップ)」として非常に優秀なんです。
日本の気候に合わせた、おすすめのリレー栽培(ローテーション)モデルをご紹介します。
| 季節 | 作物カテゴリ | おすすめの具体例と理由 |
|---|---|---|
| 春(3月〜5月) | アブラナ科 | コマツナ、ホウレンソウ 涼しい時期を好む葉物野菜です。収穫が終わる頃に気温が上がり、ちょうどツルムラサキの植え付け適期になります。 |
| 夏(6月〜10月) | ツルムラサキ科 | ツルムラサキ 真夏の主役です。他の夏野菜が弱る時期に旺盛に育ち、畑を遊ばせません。 |
| 秋〜冬(11月〜) | マメ科 | エンドウ、ソラマメ ツルムラサキがたくさん吸い上げた地力(窒素)を、マメ科の根粒菌が回復させてくれます。 |
特に私が気に入っているのは、「コマツナとのリレー栽培」です。
春と秋は涼しいのが好きなコマツナを育て、暑い夏は暑さに強いツルムラサキを育てる。
こうすると、同じ場所で年間を通じて途切れることなく葉物野菜を収穫し続けることができます。
食卓から緑の野菜が消えることがなくなるので、家計にもとても優しいローテーションですよ。
オカワカメとの違いと使い分け
最近、ホームセンターの苗売り場でツルムラサキの隣に「オカワカメ(別名:雲南百薬)」が並んでいるのをよく見かけませんか?
実はこれ、ツルムラサキ科の仲間で、いわば従兄弟のような植物です。
育て方はほとんど同じで、どちらも暑さに強くグリーンカーテンに向いていますが、
特徴が少し違います。オカワカメの方が葉が少し肉厚で、茹でた時の「ぬめり」が強く、
ワカメのようなコリコリとした食感があります。
また、オカワカメは秋になると葉の付け根に「ムカゴ」という小さな球根のようなものができ、これも食べることができます。
コンパニオンプランツとしての機能に大きな差はありませんが、食味の好みで選ぶと良いでしょう。
「独特の土臭さがちょっと苦手…」という方は、ツルムラサキよりもクセが少ないオカワカメの方が食べやすいかもしれません。
また、両方を混ぜて植えて、葉の形や食感の違いを楽しむ「緑のカーテンの食べ比べ」をするのも面白いですよ。
どちらも栄養価は抜群のスーパーフードですから、夏バテ防止にはもってこいです。
コンパニオンプランツのよくある質問
最後に、ツルムラサキの混植に挑戦しようとしている方からよく寄せられる質問について、私の経験を踏まえてお答えします。
Q. ツルムラサキが他の野菜に巻き付いて困ります。どうすればいいですか?
A. これは「ツルムラサキあるある」ですね(笑)。
成長スピードが驚くほど速いので、ちょっと目を離すとナスの枝をグルグル巻きにして絞め殺してしまうことがあります。
対策は「誘引(ゆういん)」しかありません。私は「ダブルレイヤー」といって、
畝の外側にネットを張ってツルムラサキをそこへ誘導し、
内側に立てた支柱でナスを育てるというふうに、物理的に住み分けさせています。
毎朝パトロールして、巻き付きそうなツルを見つけたら手で解いてネットへ誘導してあげてください。
Q. 赤茎種と青茎種でコンパニオンプランツとしての効果は違いますか?
A. ツルムラサキには茎が緑色の「青茎種」と、紫紅色の「赤茎種」がありますが、基本的な栽培効果は同じです。
ただ、赤茎種のアントシアニン色素(赤色)は、
特定のアブラムシやアザミウマに対して視覚的な誘引性が低い、
あるいは逆に見つかりにくいという研究報告もあります。
また、見た目がとても美しいので、花壇で観賞用として他の花と混植するなら、断然赤茎種が映えますよ。
ツルムラサキとコンパニオンプランツの栽培まとめ

ツルムラサキは、単に「夏に食べられる便利な葉っぱ」というだけでなく、
菜園全体の生態系バランスを整えてくれる頼もしい「環境調整役」でもあります。
コンパニオンプランツという知恵を借りて、植物同士の相性をうまく活用すれば、
農薬に頼りすぎることなく、健全で元気な野菜を育てることができます。
今回の記事のポイントをもう一度おさらいしましょう。
- ベストパートナー:トマト、ナス、ピーマン(空間活用と保湿でWin-Winの関係)
- 病害虫ガード:ニラ(土壌病害予防)、マリーゴールド(センチュウ対策)、ラッカセイ(雑草抑制と窒素供給)
- NGな組み合わせ:キュウリ、ゴーヤ、トウモロコシ(場所と栄養の奪い合いになるので避ける)
- プランターのコツ:欲張らず、ニラやラディッシュと組み合わせて省スペースで育てる
「難しそう…」と構える必要はありません。
まずは今年の夏、ナスの苗を植えるついでに、その足元にツルムラサキを一株、
そしてニラを少々植えてみてください。「こんなに放っておいても育つんだ!」と、
その生命力と効果にきっと驚かれるはずです。
今年の夏は、ツルムラサキのパワーを借りて、最強の家庭菜園を作ってみませんか?
