家庭菜園の鳥よけは100均で！効果と設置術

家庭菜園で大切に育てた野菜や果物、収穫直前に鳥にやられてしまうと、本当に悔しいですよね。

私も、赤くなりかけたトマトをカラスにつつかれたり、まいたばかりの豆の苗をスズメに引き抜かれたりした経験があり、

そのたびに「今年こそは！」と対策を誓ってきました。

かといって、数万円もするような高価な超音波装置や専門業者に頼むのは、ちょっとためらわれます。

「家庭菜園の鳥よけ対策を、まずは100均で試してみたい」「本当に効果があるなら、安く済ませたい」そう考える方は多いんじゃないかなと思います。

嬉しいことに、最近のダイソーやセリアなどの100均ショップには、実は鳥よけに使えるアイテムがたくさん揃っています。

問題は、それらの効果が本当にあるのか、どう使えばいいのか、ですよね。

特にベランダでの鳩よけ対策や、畑でのカラス対策など、場所や鳥の種類によっても最適な方法は異なります。

防鳥ネットの張り方一つとっても、効果を出すにはコツがいります。

この記事では、100均の剣山を使った物理ガードから、キラキラグッズを使ったDIYテクニックまで、1

00均アイテムを賢く使って効果を最大化するコツを、私の経験も踏まえて紹介していきますね。

 

家庭菜園の鳥よけ、100均グッズの効果

100均グッズと侮ってはいけません。

100円だから効果が薄い、というわけでは決してないんです。

プロの鳥害対策で使われる「物理的に防ぐ（侵入させない）」「感覚的に嫌がらせる（不快にさせる）」という基本原理は、

100均のアイテムで十分に応用できます。

むしろ、高価な装置を1つだけ買って「慣れられて」しまい、効果がなくなるのが一番の無駄遣いかもしれません。

安価なアイテムを複数組み合わせて、定期的に「慣れさせない」工夫をすることこそが、

実は一番コストパフォーマンスが良い戦略だと私は思います。

対策前に知るべき鳥の3つの弱点

効果的な対策を立てるには、まず相手を知ることから始めましょう。

家庭菜園で特に問題になるのは、知能犯の「カラス」、小さな隙間から侵入する「スズメ」、そしてベランダのフン害が厄介な「鳩（ドバト）」ですね。

彼らは賢いですが、本能的に嫌がる（弱点となる）要素があります。それは大きく分けて以下の3つです。

1. 物理的な妨害（最強・最優先）

これが最も確実性が高い対策です。

ネット、テグス（釣り糸）、剣山（スパイク）などで、「そこに入れない」「そこに着地できない」状態を物理的に作ってしまいます。

鳥が作物に触れられなければ、被害はゼロになりますからね。

2. 感覚的な妨害（五感への刺激）

鳥の五感を刺激し、「ここは不快だ」「危険だ」と感じさせる方法です。

• 視覚: CDやキラキラテープの乱反射、天敵を模した「目玉」模様など。
• 嗅覚: 木酢液など、鳥が嫌うニオイ（火事や腐敗臭を連想させるもの）。
• 聴覚: 破裂音や鷹の鳴き声といった突発的な大きな音。（※100均の鈴など持続的な音は、すぐに慣れられて効果が薄いので注意です）

3. 環境的な妨害（本能的な恐怖）

その場所自体に「天敵が潜んでいるかもしれない」と感じさせ、本能的な恐怖心から近寄らせない方法です。

例えば、ヘビを模したオモチャを置いたり、テグスと枝を組み合わせて「何かが潜んでいそうな」気配を作ったりします。

100均で手に入るアイテムは、すべてこの3つのどれか、あるいは複数の組み合わせに応用できます。

これらをどう配置するかが腕の見せ所ですね。

100均の防鳥ネット、その効果と張り方

家庭菜園の鳥よけ対策において、基本であり、最強なのは、やはり「防鳥ネット」です。

ダイソーやセリアでも、さまざまなサイズ（例：1m×2mなど）のネットが緑色や黒色で売られています。

ネット設置の成否は、もうこれに尽きます。それは、「隙間なく、ピンと張る」ことです。

ネットがたるんでいると、カラスほどの知能があれば、くちばしで器用に持ち上げて侵入します。

また、たるみに鳥が足や羽を絡ませてしまい、中で暴れてかえって作物を荒らされる…なんて悲劇も起こりかねません。

特に見落としがちなのが「地面との隙間」です。鳥は上からだけでなく、ネットの下からくぐり込もうとします。

隙間をなくす具体的な方法

ネットを張る際は、100均の「園芸用支柱」を畑の四隅と中間に立てて、ネットが作物に触れないよう、ある程度の高さ（トンネル状）を確保します。

その上で、ネットの裾（すそ）は、100均で別途購入できる「Uピン（おさえピン）」や「マルチおさえ」で地面に数カ所固定するか、

レンガや土嚢（どのう）袋などの重石で、隙間なくしっかり押さえつける必要があります。

ネットのサイズと「つなぎ目」に注意

100均のネットは、家庭菜園の畝（うね）全体を覆うには小さい場合があります。

その場合は、複数のネットを重ねて使うことになりますが、その「つなぎ目」が最大の弱点になります。

ネット同士は、最低10cm以上重ね合わせた上で、100均の「結束バンド」や「ビニールタイ」で、20～30cm間隔で細かく、

隙間ができないようにしっかり結び合わせ、「大きな1枚のネット」として使う技術が求められますね。

ダイソーとセリアで買えるアイテム比較

100均といっても、ダイソーとセリアでは品揃えに少し特徴がありますよね。

もちろん店舗にもよりますが、私が見て回った印象だと、こんな感じです。

ダイソーの傾向

ダイソーは、やはり園芸用品コーナーが圧倒的に充実している印象です。

「防鳥ネット」もサイズや色の種類がいくつかありますし、「木酢液（500mLボトルなど）」や「カラスよけ（目玉風船）」といった、

嗅覚や視覚に訴える威嚇系のアイテムも見つかりやすいかなと思います。Uピンや支柱などの基礎部材も豊富です。

セリアの傾向

セリアは、DIYやデザイン性が高いアイテムが強いイメージです。

例えば、防鳥ネットを固定するための「結束バンド」や、ベランダで支柱代わりに使える「ワイヤーネット（メッシュパネル）」なども、

黒や白、茶色といった、景観を損ねにくいおしゃれな色のものが見つかるかもしれません。

もちろん、「防鳥ネット」など基本的なものも揃っていますよ。

どちらのお店も一長一短あるので、目的に合わせて使い分けるのが賢いですね。

私がよく使うアイテムの比較を表にまとめてみました。

【早見表】ダイソー・セリアの鳥よけアイテム傾向

アイテム	ダイソーの特徴	セリアの特徴	主な用途
防鳥ネット	サイズ展開が比較的豊富。	標準的なサイズを揃えている。	物理ガード（最強）
威嚇グッズ	「カラスよけ」目玉風船やCDなど専用品がある。	キラキラした装飾用テープなどが豊富。	視覚的妨害
嗅覚グッズ	「木酢液」の取り扱いがある場合が多い。	（あまり見かけない印象）	嗅覚的妨害
DIY部材	園芸用支柱、Uピンが豊富。	ワイヤーネット、おしゃれな結束バンド。	ネットやテグスの土台
テグス（釣り糸）	釣り具コーナーで入手可能。	釣り具コーナーで入手可能。	物理ガード（見えない壁）

釣り具コーナーもチェック！

どちらの店でも、園芸コーナーだけでなく「釣り具コーナー」のチェックを忘れないでください。

後述する「テグス（釣り糸）」は、カラスや鳩よけに非常に効果的なアイテムです。

園芸コーナーには置いていないので、見逃しがちですよ。

カラス対策に効くキラキラ設置のコツ

不要になったCDや、100均のキラキラしたテープ（装飾用ポンポンを作る素材など）を吊るす方法は、昔からありますよね。

これはカラスの「視覚」を刺激する、理にかなった対策です。ダイソーには「鳥よけCD」といった専用品も売られています。

ただ、これを設置する上で大きな問題が…それは、「庭の景観がダサくなる」ことです。

私も「庭がディスコ会場みたいになるのはちょっと…」と景観が気になって一度外したら、とたんに被害が再発した苦い経験があります。

美観と効果を両立させるコツは、「設置場所」にあると思います。

景観を損ねない設置アイデア

目的は、鳥が着地しようと急降下する際の「目くらまし」になれば良いのです。

ですから、庭の高い位置にデカデカと吊るして景観を損ねるのではなく、作物の株元に近い、低い位置に設置するのがおすすめです。

例えば、トマトの支柱の下の方や、畝の脇に短い棒を立てて、地面スレスレに吊るします。

低い位置でも太陽光はしっかり乱反射しますし、何より景観をあまり損ねません。

鳥の着地地点スレスレで、不意にキラッと光る方が、鳥にとっては「何だこれは！？」と不気味で効果的かもしれませんね。

鳩よけは100均の剣山で物理ガード

畑や菜園とは少し違いますが、ベランダ菜園で特に問題になるのが「鳩（ドバト）」です。

鳩は作物を直接食べる害よりも、ベランダの手すりやエアコンの室外機の上に止まってフンをしたり、巣を作ろうとしたりするのが非常に厄介ですよね。

鳩のフンは、悪臭だけでなく、乾燥すると空気中に飛散して健康被害を引き起こす可能性も指摘されています。

さらに、鳩は非常に帰巣本能が強いため、一度「安全な場所」と認識すると、追い払うのが困難になります。

そんな鳩対策には、100均で売られているプラスチック製の「鳥よけスパイク（剣山）」が効果的です。

これは「畑」用ではなく、鳩が「止まる」のを物理的に防ぐためのアイテムです。

注意：鳩は法律で保護されています

フン害がひどいからといって、鳩やその卵、巣を許可なく捕獲したり、傷つけたり、

撤去したりすることは「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律（鳥獣保護管理法）」で禁止されています。

（出典：葛飾区「カラスやハトなどの野鳥について」）

対策は、あくまで「寄せ付けない」予防が基本です。もし巣を作られてしまった場合は、専門の業者や自治体に相談してください。

設置のコツは「隙間なく」

鳩が止まれそうな平面（手すり、室外機の上、窓のひさしなど）に、とにかく隙間なく敷き詰めることが重要です。

少しでも隙間があると、そこを新たな足場にされてしまいます。

100均の結束バンドや、屋外用の強力な両面テープ（これも100均で手に入ります）を使って、強固に固定しましょう。

100均グッズで簡単DIY！テグス活用術

私が最近「これは賢い！」と感心し、実践しているのが、100均の釣り具コーナーにある「テグス（釣り糸）」を使ったDIYです。

0.4号～1号くらいの細いものがおすすめです。

鳥は、飛行中や着地時に、透明で見えない何かが羽や体に触れるのを極度に嫌います。

カラスや鳩のような、比較的大きな鳥に特に効果的だと感じます。

基本的なテグスの張り方

最も簡単な使い方は、プランターや畑の周囲に100均の支柱を立てて、テグスを張り巡らせる方法です。

1. 守りたい場所の四隅と中間に支柱を立てます。
2. 地上から15cm、30cm、50cm…といった具合に、高さを変えてテグスを数段に張ります。
3. 鳥が侵入しそうな方向（上空）に向けて、支柱から支柱へ斜めに張るのも効果的です。

上級編：「天敵トラップ」の作り方

さらに効果を高める上級テクニックとして、テグスを張った周囲に、拾ってきた「竹や木の枝」をランダムに挿す方法があります。

鳥は、安全に着地できる「見通しの良い場所」を好みます。テグスの周囲に枝を無造作に挿すことで、鳥の視点からは「見通しが悪く着地しにくい」という物理的な壁になります。

それと同時に、これが重要なのですが、「枝の影に天敵のヘビが隠れているかもしれない…」という本能的な恐怖を煽る効果があるんです。

これは、「物理的妨害（テグス）」と「環境的妨害（天敵の気配）」を組み合わせた、非常に高度な心理トラップですね。

ぜひ試してみてほしいです。

家庭菜園の鳥よけ、100均で効果を最大化

さて、ここまで個別のアイテムを紹介してきましたが、100均対策で一番やってはいけないのは、「1つの対策に頼りきること」です。

特にカラスは本当に賢く、CDや目玉風船など、動かない「おどし」には数日で「これは無害だ」と学習してしまいます。

100均アイテムの最大のメリットは「安さ」です。そのメリットを最大限に活かした、「慣れ」させないための戦略が必要ですね。

鳥の「慣れ」を防ぐためのローテーション術

鳥の「学習能力（慣れ）」を防ぐ最強の戦略は、「対策のローテーション（定期交換）」です。

高価な装置だと頻繁な交換は難しいですが、100均グッズなら、安価なのでためらうことなく「組み合わせ」や「交換」ができますよね。

これが最大の強みです。

例えば、メインの「防鳥ネット」は張りっぱなしにするとして、補助的な「おどし」アイテムを以下のようにローテーションさせてみましょう。

【対策ローテーション術（例）】

時期	対策（例）	目的とロジック
1週目（警戒期）	防鳥ネット ＋ 木酢液	物理ガードに加え、強烈なニオイ（嗅覚）で「ここはヤバい」と強く警戒させる。
2週目（観察期）	防鳥ネット ＋ CD ＋ 目玉	木酢液のニオイが消える頃。鳥が「安全か？」と観察しに来るタイミングで、新たな視覚刺激（光と目玉）を与えて脅す。
3週目（油断期）	防鳥ネット ＋ テグス＆枝トラップ	視覚刺激に慣れかける頃。あえてCDと目玉を撤去し、「見えない脅威（テグス）」と「天敵の気配（枝）」に切り替える。
4週目（混乱期）	防鳥ネット ＋ 木酢液（前回と違う場所）	テグスはそのままに、1週目に使った木酢液を「前回とは違う場所」に設置。予測不能な刺激の変化で鳥を混乱させる。

このように、「常に何かが変わる」「予測がつかない」環境を作り出すことで、鳥に「ここは落ち着いて食事ができる場所ではないな」と認識させ、

縄張り（餌場）から除外させることが最終的なゴールです。

ベランダ菜園での賢い使い方

ベランダ菜園は、畑と違って「支柱を立てる土がない」のが悩みどころですよね。

プランターの土は浅く、支柱が安定しません。そのため、防鳥ネットやテグスを「ピンと張る」のが難しいです。

そこでおすすめなのが、100均の「ワイヤーネット（焼き網やメッシュパネル）」と「結束バンド」の組み合わせです。

ワイヤーネット土台の作り方

1. ベランダの手すりや壁（ラティスなど）に、ワイヤーネットを結束バンドで数カ所、強固に固定します。
   
   
2. このワイヤーネットが、「支柱」を立てるための頑丈な「土台」となります。
   
   
3. ワイヤーネットの網目に園芸用支柱を差し込んだり、結束バンドで固定したりすれば、プランターに土がなくても支柱を立てられます。
   
   
4. この支柱を基点にすれば、ベランダ全体やプランターの上空に、防鳥ネットやテグスを隙間なく「ピンと張る」ことができます。

また、もっと簡単な方法として、プランターのサイズに合うワイヤーネットを2枚用意し、プランターを挟むようにアーチ状（かまぼこ型）に被せ、

両端を結束バンドで固定するだけでも、簡易的な防衛ドームになります。苗や小さな作物を守るのに役立ちますよ。

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100均の目玉風船は効果ある？

ダイソーなどで「カラスよけ」として売られている、あの大きな「目玉」模様の風船やオブジェですね。

これは鳥が天敵（鷹などの猛禽類）を連想する習性を利用したものです。

正直なところ、「設置しただけ」では、数日で効果はなくなると考えた方がいいです。

私も設置した初日はカラスが警戒しているように見えましたが、3日目には風船のすぐそばに止まっていました。

鳥、特にカラスは非常に賢く、ずっと同じ場所で動かない目玉は「これは自分に害を与えない、ただのオブジェだ」とすぐ学習してしまいます。

「慣れ」を防ぐひと工夫

効果を持続させるコツは、やはり「慣れ」させないことです。設置場所を毎日変えるのが一番ですが、それが難しければ、

せめて「風で不規則に動く」ように、テグスなどで長く吊るす工夫をしましょう。

「昨日なかった場所に、不気味な目玉が動いている」という「変化」こそが、鳥を継続的に警戒させます。

カカシと一緒で、手間をかけることが大事、ということですね。

木酢液のニオイ、効果と持続時間

ダイソーでも手に入る「木酢液」

これは炭を焼くときに出る煙を冷やして液体にしたもので、この燻製のような独特のニオイ（火事や煙を連想させる）を鳥が嫌うとされています。

使い方は、100均の布やスポンジに染み込ませて、支柱の先や畑の周囲に吊るして使います。

ただし、これには大きな弱点があります。それは「効果の持続時間が非常に短い」ことです。

ニオイはすぐに揮発しますし、雨が降れば一瞬で流れてしまいます。

体感ですが、晴天が続いても数日～1週間程度かな、という印象です。

ピンポイントでの短期決戦に

効果を持続させるには、数日おきに染み込ませ直す必要があり、非常に「メンテナンスコスト」が高い対策です。

これをメインで使い続けるのは大変なので、「種をまいた直後」「発芽したばかりの柔らかい苗の時期」など、

「この1週間だけ何としても守りたい！」といった、ピンポイントでの短期決戦に使うのが賢明かなと思います。

家庭菜園の鳥よけ、100均活用まとめ

100円ショップのアイテムを使った鳥よけ対策は、「これを買えばOK」という魔法のようなアイテム（銀の弾丸）ではありません。

最強の対策は、やはり物理的に侵入を防ぐ「防鳥ネット」です。これをいかに「隙間なく、ピンと張る」か、その設置技術が何より重要ですね。

そして、物理防御が難しい場合や、補助的な対策として、CDの「光」、目玉の「威嚇」、木酢液の「ニオイ」、

そしてテグスの「見えない壁」といった複数のアイテムを組み合わせること。

最も重要なのは、鳥の「慣れ」を防ぐために、これらの対策を定期的に「ローテーション」させることです。

これこそが、100均グッズの「安価さ」という最大のメリットを戦略的に活かした、最強の防衛術だと私は思います。

100円だからこそ、色々な組み合わせを試行錯誤できるのが、100均鳥よけ術の醍醐味です。

低コストで賢く、大切な家庭菜園を守り抜きましょう！