家庭菜園で落花生を育てていると、いつ掘り起こせばいいのか迷いますよね。
落花生の収穫が遅れるとどうなるのか気になって調べてみたことや、
実際の経験から分かったことをまとめました。
実が土の中にあるため、収穫時期が近づいたら試し掘りをして殻の網目を確認するのが基本になります。
しかし、もしタイミングが遅れてしまうと土の中で発芽してしまったり、
最悪の場合はカビが生えて食べられなくなる危険性もあります。
せっかく育てたからには失敗したくないですよね。
そこで、適切なタイミングを見極めるサインや、
万が一遅れて硬くなってしまったときの美味しいゆで方などをご紹介します。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
この記事で分かること
- 落花生の収穫が遅れた際に発生する具体的なデメリット
- 収穫に適したタイミングを正確に見極めるためのサイン
- 硬くなってしまった落花生を美味しく食べるための救済レシピ
- 収穫後の落花生の殻を土づくりに再利用するエコなアイデア
落花生の収穫が遅れるとどうなる?三大弊害

落花生の収穫が遅れるとどうなるか、
結論から言うと栽培上のメリットは一つもありません。
具体的にどのようなリスクや落とし穴があるのか、まずは絶対に気をつけたい3つの大きな弊害について、
私の失敗談も交えながら詳しく解説していきますね。
収穫遅れによる物理的な収穫ロスの増大
落花生の栽培において、収穫のタイミングを逃してしまうことがどれほどもったいないことか、
家庭菜園をやっている方なら一度は経験があるかもしれません。
落花生はマメ科の植物の中でも非常に珍しい育ち方をします。
地上で黄色い可愛らしい花を咲かせた後、
その花の根元から「子房柄(しぼうへい)」と呼ばれる細いヒモのような茎が、
重力に従ってスルスルと地面に向かって伸びていきます。
そして、土の中に潜り込んだ先端部分が膨らんで、
私たちがよく知る殻付きのピーナッツになるんですね。
子房柄が枯れて実が土に残ってしまう悲劇
適期に収穫を行えば、この子房柄はまだ青々としていて弾力があり丈夫なので、
地上部の葉っぱや茎をガサッとまとめて引っ張ると、
土の中からたくさんの実がズルズルっと一気に連なって出てきます。
この瞬間が落花生栽培の最大の醍醐味と言っても過言ではありません。
しかし、収穫が遅れるとどうなるかというと、株全体が老化を始め、
実へ養分を送る役目を終えた子房柄が茶色く枯れて、極端に脆くなってしまうんです。
いざ掘り起こそうと株を引っ張った瞬間、わずかな力で子房柄がプツン、プツンと切れてしまい、
せっかく大きく育った立派な実のほとんどが土の中に取り残されてしまいます。
手探りで土を掘り返して回収するのは本当に骨の折れる作業ですし、
どうしても見落としが発生してしまいます。
💡 私の愛用アイテム:【金象印】菜園用ホーク(4本爪)
万が一、土の中に落花生が残ってしまった場合、普通の先の尖ったスコップで掘り返すと、
実を真っ二つに割ってしまう危険があります。
私は発掘作業にこのプロ用のステンレス製ホークを使っています。
1万5千円ほどと農具としてはかなり高価ですが、
実を傷つけずに土だけをサクッと振るい落とせるので、作業効率が劇的に上がります。
サビにも強く一生モノとして使えるので、家庭菜園を長く楽しむ方には本当におすすめの投資ですね。
取り残された落花生は、土の中で腐敗して病害の温床になったり、
土壌の中の害虫を引き寄せるエサになってしまったりします。
また、冬を越して翌年の春に勝手に芽を出してしまい、
次に植えた野菜の栄養を奪う雑草になることもあります。
翌年の畑の環境をきれいに保つためにも、子房柄が丈夫な適期のうちに、
一網打尽にすっきりと収穫しきってしまうことが非常に重要になってくるんですね。
収穫が遅すぎると風味が落ち硬くなる
採れたての新鮮な落花生を塩ゆですると、本当に甘くてホクホクしてみずみずしくて、
スーパーで売っている乾燥ピーナッツとは全く別物の美味しさですよね。
この「ゆで落花生」を味わえるのは、手間暇かけて育てた人だけの最高の特権だと思っています。
しかし、土の中で長く放置されすぎると、中の実がどんどん硬くなり、
せっかくの素晴らしい風味や甘みが一気に抜けてしまいます。
これも、収穫が遅れた際に直面する非常に残念な弊害の一つです。
なぜ水分と甘みが抜けてしまうのか?
落花生は成熟していく過程で、実の中にデンプンや油分をたっぷりと蓄えていきます。
適期のタイミングでは水分量と油分のバランスが絶妙で、
ゆでることで極上の柔らかさとクリーミーな甘さが引き出されます。
しかし、適期を過ぎて過熟状態になると、組織の繊維質がガチガチに硬化してしまいます。
水分が完全に抜けきってしまい、本来の甘み成分も揮発したり変質したりするため、ゆでてもパサパサで、
なんだか味気ないゴムを噛んでいるような仕上がりになってしまうんです。
こうなると、家族からの「美味しい!」という言葉も聞けなくなってしまいます。
見た目でわかる過熟のサインと物理的破損
さらに過熟が進行すると、味だけでなく見た目にもハッキリと悪影響が現れます。
土の水分や成分の影響で殻の表面が黒ずんで泥汚れが落ちにくくなり、
お裾分けなどにも使いづらい見栄えになってしまいます。
もっとひどい場合だと、秋の長雨などで畑の土の水分が過剰になったとき、殻の中で実がパンパンに膨張しすぎて、
内部からの圧力で殻をバキッと割ってしまう現象も起こります。
こうなると割れ目から泥水や細菌が直接入り込んでしまい、食べる楽しみが完全に奪われてしまうんです。
最高の状態で味わえる「美味しい期間」は意外と短いので、ベストなタイミングを逃さないようにしたいですね。
収穫時期が遅れると莢内発芽が起こる
落花生の収穫が遅れるとどうなるか、という疑問の中で、
初心者の方が一番驚かれる現象が「莢内発芽(きょうないはつが)」というトラブルです。
これは名前の通り、まだ土の中にある殻(莢=さや)の内部で、
実が直接芽を出してしまうという非常にショッキングな生理現象です。
一生懸命育てて、いざ収穫した殻をウキウキしながら割ってみたときに、
中からモヤシのような白い芽が出てきたときのガッカリ感は、何度経験しても慣れるものではありません。
土の中で芽が出てしまうメカニズム
本来、植物の種というのは、成熟したあと一定期間の「休眠」に入り、
翌年の春の暖かさを感じるまでは芽を出さないようにプログラミングされています。
しかし、収穫の適期を過ぎた後、秋の長雨などで畑の土が高温多湿な状態になり続けると、
土の中でこの休眠状態が強制的に破られてしまうことがあります。
その結果、落花生は「あ、もう春が来たから芽を出していいんだな」と勘違いをしてしまい、
土の中にいるまま殻を割って白い根や芽を伸ばし始めてしまうんです。
特に水はけの悪い畑や、畝(うね)の高さが足りない畑ではこの現象が頻発しやすくなります。
発芽した落花生は食べられるのか?という疑問
発芽したからといって、ジャガイモの芽のような強烈な毒素が生成されるわけではありません。
しかし、一度発芽プロセスが始まってしまうと、
実の中に蓄えられていた美味しいデンプンや脂質が「芽を伸ばすためのエネルギー」として激しく消費されてしまいます。
そのため、私たちが食べる頃には栄養も甘みもスッカスカに抜け落ちており、
食用としての価値は全くなくなってしまいます。
ゆでても美味しくないので、見つけたら残念ですが諦めて処分するか、
コンポストに入れて堆肥にするしかありません。
また、殻の中で発芽が始まった落花生は、殻の密閉性が失われているため、
そこから土の中の水分がどんどん入り込みます。
これが引き金となって実が急速に腐敗し、悪臭を放つようになることもあります。
莢内発芽を起こさせないためには、天気予報をしっかりチェックし、
長雨が来る前に思い切って収穫してしまう決断力も必要になってきますね。
収穫遅れでカビやアフラトキシンの危険

収穫遅れによるリスクの中で、私たちが最も警戒しなければならないのが「カビ」とそれに伴う健康被害の問題です。
落花生が土の中に長期間留まることで、過熟で植物の防御力が落ち、
コガネムシの幼虫や野ネズミ、さらにはハクビシンなどの小動物による食害リスクが跳ね上がります。
彼らにとって、栄養満点の落花生は最高のごちそうですからね。
虫食い穴はカビの侵入経路になる
虫や動物に食べられて殻にポッカリと穴が開いたり、過熟によってヒビが入ったりすると、
そこから土壌中に無数に存在する細菌や糸状菌(カビ)が殻の内部に直接侵入してしまいます。
特に秋雨で湿った土壌は、カビの繁殖にとって最高の環境になりやすいため、
掘り起こした時に中が真っ黒に腐っているというケースも決して珍しくありません。
殻の外側が無事に見えても、中を開けたら緑色や黒色のカビがびっしり生えていた…
というホラーのような展開も起こり得ます。
絶対に知っておくべきアフラトキシンの恐怖
ここで絶対に知っておかなければならないのが、
「アフラトキシン」という非常に強力な毒性を持つカビ毒(マイコトキシン)の存在です。
傷んだ落花生を温床にして特定のコウジカビの仲間が異常繁殖することがあり、
このカビが作り出すアフラトキシンは、天然物質の中でも極めて強力な発がん性を持つことで知られています。
※健康に関わる重要な注意点
一般的な食中毒菌はお湯で煮沸すれば死滅しますが、アフラトキシンの本当に恐ろしいところは「熱に対して非常に強い」という性質を持っている点です。
家庭での塩ゆでや、フライパンで炒る程度の通常の加熱調理では、毒素を全く分解することができません。
「もったいないから」といって無理に食べるのは絶対に厳禁です。表面が異常に黒ずんでいたり、カビの嫌な臭いがする場合は、
迷わずすべて廃棄してください。これは一般的な目安ですので、
食品安全に関する正確な情報は公的機関の公式サイトをご確認ください。
最終的な判断に迷う場合は、専門機関へご相談されることを強くおすすめします。
収穫時期の見極め方と網目確認のサイン

ここまで怖いお話もたくさんしてしまいましたが、
収穫が遅れるとどうなるかの致命的なリスクを完全に回避するためには、
適切なタイミングを見極める観察眼を養うことが一番の解決策になります。
ネットや本ではよく「葉っぱの色を見て判断する」と言われますが、
私の経験上、実はそれだけでは全く不十分なんです。
地上部のサインだけを信じてはいけない理由
確かに、収穫期が近づくと地上部の葉っぱが少し黄色っぽく変色し、
下の方の葉から順番に枯れて落ちてくるという老化のサインが現れます。
しかし、気温の急激な変化や日照不足、あるいは肥料の効き具合によっては、
葉っぱがまだ青々としているのに土の中の実だけが過熟になっていたり、
逆に早い時期の霜にあたって葉っぱだけが先に真っ黒に枯れてしまったりすることがよくあります。
地上部の様子はあくまで「そろそろかな?」というカレンダーの目安として考え、
最終的な決断は必ず自分の手で地下の実を確認する「試し掘り」に委ねるべきだと私は考えています。
試し掘りの正しいやり方と網目80%の法則
収穫予定日の5日から1週間ほど前に、畑の中で「一番平均的な育ち方をしている株」を1〜2株だけ選び、
実際にスコップで掘り起こして殻の状態を直接チェックします。
このときに見るべきは、殻の表面の「網目模様」です。
未熟なものは表面がツルツルしていますが、成熟した実は、
表面の網目模様がくっきりと隆起してハッキリ見えます。
農業のプロの間でも鉄則とされているのが「網目80%の法則」です。
掘り上げた株についているすべての実のうち、約80%の殻にハッキリとした網目が出ている状態が、
収穫のベストタイミングです。100%になるのを待っていると、
初期についた実が熟しすぎて土の中で腐って落ちてしまうため、
「全体を見て8割」という妥協点を探ることが、
一番収量が多く、かつ美味しく食べられる最大の秘訣なんですよ。
収穫が早すぎの状態との違いを比較する
収穫が遅れるリスクをたっぷりとお伝えしましたが、遅れるのが怖いからといって、
逆に早すぎるタイミングで掘り上げてしまうのも非常にもったいない失敗です。
落花生栽培は、この「早すぎ」と「遅すぎ」の間のストライクゾーンをいかに正確に射抜くかが腕の見せ所なんです。
未熟な落花生の特徴と味のデメリット
収穫が早すぎた落花生は、殻の表面に特有の網目模様が全く形成されておらず、
水っぽくてスベスベとした滑らかな手触りをしています。
殻の中を開けてみると、豆がまだ小さく縮こまっており、薄皮も白っぽくて未熟な状態です。
これを塩ゆでにして食べても、シャリシャリとした水っぽい食感ばかりが目立ち、
落花生特有の濃厚なコクや、ホクホクとした栗のような甘みは全く感じられません。
また、中身がパンパンに詰まっていないため、
収穫量(重量)も本来の実力の半分以下になってしまうという悲しいデメリットがあります。
せっかく半年近く育ててきたのに、これでは少し虚しいですよね。
早すぎと遅すぎ、結局どちらがマシ?
では、早すぎと遅すぎのどちらがマシかというと、個人的には「やや遅れ気味」よりも「適期ドンピシャ」を狙いつつ、
迷ったら気持ち早めに掘り上げるのが家庭菜園では無難かなと思います。
遅すぎるとカビや発芽によって全滅するリスク(0点になるリスク)がありますが、
早すぎる場合は少なくとも「あっさりした枝豆感覚」として食べることはできるからです。
品種によって、開花から収穫までの日数(例えばジャンボ落花生の「おおまさり」なら開花後約85〜90日、
早生種の「郷の香」なら約75日など)が決まっていますので、
お花がたくさん咲いた日(開花盛期)をカレンダーにしっかりメモしておき、
そこから逆算して試し掘りの日を設定するのが、失敗を防ぐ一番確実なスケジュール管理になります。
落花生の収穫が遅れるとどうなるか?救済法
週末に台風が来てしまったり、体調を崩してしまったり、
あるいは仕事が忙しくてどうしても畑のお世話ができず、
理想的な収穫適期を逃してしまうことは誰にでもあります。
ここからは、落花生の収穫が遅れるとどうなるかという不安を解消する、
具体的なリカバリー方法や、硬くなった実を無駄にしないための高度な活用術をご紹介します。
収穫遅れで硬い落花生は加圧調理で救済

収穫が遅れてしまい、殻や中の実が硬くなってしまった落花生。
カビが生えていたり腐ったりしていなければ、捨てる必要はありません。
ただ、そのまま普通の鍋で塩ゆでにしても、1時間経っても2時間経っても芯が残ってしまい、
ゴムを噛んでいるような残念な食感になりがちです。
しかし、諦めるのはまだ早いです!
収穫が遅れるとどうなるかという絶望感を救ってくれる最強のアイテムが、
どこのご家庭にもあるかもしれない「圧力鍋」なんです。
塩分濃度と浸透圧が柔らかさを生むメカニズム
硬くなってしまった繊維や細胞壁を効果的に破壊して、再びホクホクとした食感を取り戻すためには、
「高い温度」「圧力」そして「塩分濃度」の3つの要素がカギを握ります。
ゆで汁の塩分濃度は、水に対して3%から4%が黄金比だと言われています。
これは海水とほぼ同じか、少しだけ薄いくらいの、舐めるとかなりしょっぱく感じる濃度です。
この濃い塩水で一気に加圧することで、浸透圧の作用によって落花生の内部から適度に水分が抜け、
代わりに塩味が芯までグッと入り込みます。塩分がタンパク質の変性を促してくれるため、
ただの水でゆでるよりも格段に柔らかくなりやすいんですね。
💡 私の愛用アイテム:【フィスラー(Fissler)】圧力鍋 ビタクイック プレミアム(超高圧)
硬くなった落花生を救済するのに、一般的な圧力鍋でも十分ですが、私はドイツ製のフィスラーの超高圧タイプの圧力鍋を愛用しています。
3万円以上する高級調理器具ですが、これを使うとガチガチの過熟落花生でもたった10分の加圧で、
驚くほどねっとり・ホクホクの極上スイーツのように生まれ変わります。
お肉の煮込み料理など普段使いでも手放せない、投資価値の非常に高い逸品です。
| 調理器具 | 最適な塩分濃度 | 加圧・加熱時間の目安 | 仕上がりの特徴とポイント |
|---|---|---|---|
| 一般的な鍋 | 水の3%〜4% | 弱火で30〜50分+余熱放置 | 途中で硬さを確認しながら調整可能ですが、確実に柔らかくなるまで時間とガス代がかなりかかります。 |
| 圧力鍋(普通圧) | 水の3%〜4% | 弱火で5〜10分加圧+自然減圧 | 短時間で劇的に軟化します。10分加圧すれば芯までホクホクのおいしさが蘇ります。 |
| 圧力鍋(超高圧) | 水の3%〜4% | 弱火で10分加圧+自然減圧 | 絶望的に硬化した過熟果であっても、強力な圧力で繊維を完全に壊し、食感を回復できます。 |
そして一番大切なのが「余熱での放置(自然減圧)」です。
火を止めた後、圧力が完全に抜けてお湯が冷めていく過程で、殻の中の圧力が下がって外の塩水が勢いよく吸収されます。
ここで焦ってザルにあげず、鍋の中で10分から30分ゆっくり冷ますことで、
最高の食感と絶妙な塩加減が完成するんです。
収穫遅れの落花生を美味しく食べるには

もし加圧調理でも食感が良くならないほど極度に遅れてしまった場合や、
大量に収穫しすぎて茹でるだけでは到底消費しきれない場合は、
思い切ってペースト状に加工するのが一番合理的でおすすめです。
自家製の「ピーナッツバター」や、ご飯のお供にぴったりの「ピーナッツ味噌(みそピー)」に加工してしまえば、
過熟による硬さや食感の悪さは完全にマスキングされ、全く気にならなくなります。
自家製ピーナッツバターを作るための3ステップ
ただし、ここで多くの人がやりがちな失敗があります。
それは、掘り立てで水分を多く含んでいる生の落花生を、そのままミキサーにかけてしまうこと。
生落花生は水分が多すぎるため、そのまま粉砕しても油分がうまく滲み出ず、
水っぽくてボソボソとした不快なペーストになってしまいます。
必ず以下の3つのステップを守って加工してみてくださいね。
- 完全乾燥:まずは殻のまま天日干しをします。
1週間から10日ほど外で干し、殻を振ったときに中で実が動いて「カラカラ」と乾いた高い音が鳴るまで、徹底的に水分を抜きます。 - 乾煎り(焙煎):完全に乾燥した殻を剥いて中身を取り出し、
油を引かないフライパンで弱火でじっくりと煎ります。
ここで香ばしい風味が引き出されます。 - 粉砕と乳化:粗熱が取れたら、少量の塩と一緒にフードプロセッサーにかけます。
高速で回し続けると、摩擦熱で落花生自身の細胞から良質な油分が滲み出し、
自らの油でトロトロのペースト状に変化していきます。
💡 私の愛用アイテム:【Vitamix(バイタミックス)】
ピーナッツをペースト状にする作業は、安価なミキサーだとモーターが焼き切れてしまう(壊れる)ことがよくあります。
硬い落花生があっという間に高級ホテルの朝食のような、超絶なめらかな極上ピーナッツバターに変わります。
油分を追加しなくても、落花生自体の油だけで完璧に乳化する圧倒的なパワーは感動モノです。
作ったペーストやお好みの粗さに砕いたピーナッツを、お味噌とお砂糖、みりんと一緒にフライパンで甘辛く練り上げると、
千葉県や茨城県の郷土料理「ピーナッツ味噌」が完成します。
お茶請けにも最高ですし、クッキーやケーキの生地に練り込めば、
収穫遅れで凝縮された濃厚な風味だけを上手に抽出して活かすことができますよ。
収穫遅れが種子の発芽率に与える悪影響

美味しい食べ方の話をたくさんしてきましたが、
もしあなたが「来年も植えたいから、今年の収穫物の中から大きくて立派なものを種として残しておこう(自家採種)」と考えている場合、
収穫遅れは食用利用の時以上に致命的で、取り返しのつかない結果を招くことになります。
種とり(自家採種)において収穫遅れが致命的な理由
過熟状態に陥ってしまった落花生の種子は、植物生理学的に老化が進んでしまっており、
将来芽を出したり根を伸ばしたりする中核部分(胚)の活力が著しく低下しています。
さらに深刻な問題がカビの影響です。
土の中に長く放置された実は、高い確率で種を覆っている薄皮(種皮)の表面に目に見えない糸状菌が付着しています。
これを翌年の春まで保管して土に蒔いても、種自身が持つエネルギーが弱っているうえにカビの繁殖に負けてしまい、
土の中で腐って発芽率が劇的に低下してしまうんです。
農業の専門家も、種とり用の株こそ、網目80%の適期収穫を厳守するよう強く指導しています。
発芽不良を防ぐための「催芽処理」という裏技
来年の畑で「全然芽が出ない!」と泣かないためには、種とり用の株は絶対に収穫を遅らせず、
収穫後も風通しの良い場所でしっかりと乾燥させることが絶対条件です。
それでも、天候不良などで収穫が遅れてしまい、
「この種、無事に発芽するかな…」と不安な場合は、
畑に直接種を蒔く前に「催芽処理(予備発芽)」を行うというリスクヘッジの裏技があります。
種を一晩水に浸して十分に吸水させた後、湿らせたキッチンペーパーで包み、
タッパーなどの密閉容器に入れて25℃前後の暖かい部屋に数日間置いておきます。
こうすることで、カビの繁殖を抑えながら安全に根出しを促すことができます。
数日待って、しっかりと白い根を出してくれた「生命力のある種」だけを選別してから畑やポットに植え付けることで、
欠株になってしまうリスクを最小限に抑え、確実な苗作りを行うことができるんですよ。
種を無駄にしないためにも、ぜひ覚えておきたいテクニックですね。
収穫後の落花生の殻を再利用する方法
落花生を無事に収穫し、美味しい実を堪能した後に大量に残る「殻」。
そのまま燃えるゴミとして捨ててしまっていませんか?
実はこの殻、決して無価値なゴミなどではなく、
家庭菜園やガーデニングの土づくりにおいて非常に優れた効果を発揮する最高のエコ資材なんです。
落花生の殻が持つ土壌改良のポテンシャル
落花生の殻をよく観察してみると、細かい空洞がたくさんある多孔質な構造(スポンジのような構造)をしているのがわかります。
この殻を土に混ぜ込むと、乾燥しやすい時期には水分をしっかりと保持してくれる「水もち(保水性)」がアップし、
逆に雨が多い時期には土の間に隙間を作って水がスッと抜ける「水はけ(透水性)」を良くしてくれるという、
相反する2つの環境を同時に劇的に改善してくれる魔法のような働きをしてくれます。
さらに、土の中の空気の通り道ができることで、植物の根っこが呼吸しやすくなり、
有用な微生物の住み処にもなるため、ふかふかの豊かな土に生まれ変わります。
そのまま土に混ぜてはいけない!正しい粉砕のコツ
ただし、殻を再利用する上で一つだけ絶対に守ってほしい注意点があります。
それは「そのままの大きさで土に混ぜない」ということです。
落花生の殻は非常に頑丈な繊維でできているため、大きなまま土に埋めても、
分解されて土に還るまでに数年という長い時間がかかってしまいます。
その間、野菜の根っこが伸びるのを物理的に邪魔してしまう恐れがあります。
ですから、畑の土にすき込む場合は、必ず2〜3ミリ程度の細かい破片になるまで粉砕してから混ぜ込むようにしてください。
💡 私の愛用アイテム:【京セラ(Kyocera)】 ギヤ式 ガーデンシュレッダー
落花生の殻を足で踏んで細かくするのは、量が少なければ良いですが、たくさんあると大変な重労働です。
私は思い切って家庭用のガーデンシュレッダー(粉砕機)を導入しました。
約5万円ほどしますが、頑丈な落花生の殻はもちろん、剪定した庭木の枝などもあっという間に細かいチップ状にしてくれる優れものです。
これで作った落花生チップを土に混ぜると、微生物の分解が驚くほど早く進み、最高のふかふか土壌が完成しますよ。
まとめ:落花生の収穫が遅れるとどうなるか

今回は、「落花生の収穫が遅れるとどうなるか」という疑問にお答えするべく、
植物の性質から起こりうる怖いトラブル、そしてリカバリー方法までかなり幅広く、
そして深くお伝えしてきました。長い記事にお付き合いいただきありがとうございます。
落花生の収穫が遅れると、株が枯れて土の中に実がポロポロ取り残されてしまったり、
実がガチガチに硬くなって特有の甘い風味が失われたり、
さらには土の中で勝手に発芽してしまったりと、良いことは一つもありません。
最悪の場合、虫に食われた穴からカビが侵入し、アフラトキシンという非常に危険なカビ毒のリスクまで発生してしまいます。
これらの失敗を防ぐためには、種袋に書いてある日数や葉っぱの色だけに頼らず、
必ず自分の手で「試し掘り」をして、殻の網目が80%ハッキリ出ているサインを見逃さないことが何より大切ですね。
それでも、週末農家さんなど時間の制約があって適期を逃してしまった場合は、決して諦めないでください。
高性能な圧力鍋のパワーを活用して柔らかく復活させたり、
しっかり乾燥させてから本格的なブレンダーで自家製ピーナッツバターやピーナッツ味噌にアレンジしたりすれば、
無駄なく美味しくいただくことができます。
来年のための種とりは慎重に行い、最後はシュレッダーで粉砕した殻まで土づくりに活かして、
まさにゼロエミッション!余すところなく落花生栽培を楽しんで、来年の豊作に繋げていっていただければ私としても本当に嬉しいです。

