ブルーベリーは家庭菜園でも人気の果樹ですが、いざ育てようと思うと種類が多すぎて迷ってしまいますよね。
せっかく苗を買っても、初心者の方だと数年で枯れるという失敗をしてしまうことも少なくありません。
私も色々と調べていくうちに、
庭での地植えやベランダでの栽培に向いていない種類が存在する理由が分かってきました。
中には虫の被害に弱かったり、環境に合わずに育てにくいといった特徴を持つものもあります。
こうしたトラブルを防ぐためには、最初の段階で自分の環境に合わないものをしっかり避けることが大切です。
この記事では、私が学んだ知識をもとに、選ぶ際に気をつけておきたいポイントを分かりやすくシェアしますね。
この記事で分かること
- 初心者が選ぶと失敗しやすいブルーベリーの品種
- 庭の地植えやベランダ栽培に向かない品種の理由
- 虫の被害や雨による実割れで枯れるリスクと対策
- おすすめしない品種を避けて上手に育てるコツ
ブルーベリーのおすすめしない品種と特徴

ブルーベリー栽培で「なんだかうまくいかないかも…」と後悔しないために、
まずは環境や目的に合わず育てにくいと言われる品種の特徴から一緒に見ていきましょう。
ここを知っておくだけで、失敗の確率をグッと下げることができますよ。
初心者には育てにくい系統と品種

系統と気候のミスマッチが引き起こす悲劇
ブルーベリーの品種選びにおいて、最も根本的で取り返しのつかない失敗原因となるのが
「住んでいる地域の気候と系統のミスマッチ」です。
ブルーベリーには大きく分けて
「ノーザンハイブッシュ系」「サザンハイブッシュ系」「ラビットアイ系」
という3つの主要な系統が存在します。
実は、これらはそれぞれ原産地の気候風土を色濃く受け継いでいるため、
得意な気候と苦手な気候がはっきりと分かれているんです。
夏に盆地特有の猛烈な暑さと湿気が襲う地域では、
寒さに強い「ノーザンハイブッシュ系」を露地栽培するのはおすすめしません。
マイナス20度にも耐える強靭な系統ですが、夏の猛暑にはめっぽう弱く、
葉が焼けてしまい根が水分を吸い上げる力が弱まって急激に弱ってしまいます。
さらに、ブルーベリーが春に花を咲かせるためには「低温要求量」といって、
冬の間に一定時間以上の寒さに当たる必要があるのですが、
ノーザンハイブッシュ系はこの要求時間が非常に長いため、
温暖地では春になっても芽吹かないという生理障害を起こすことがあります。
逆に、「サザンハイブッシュ系」や「ラビットアイ系」は温暖な地域を原産としているため、
暑さには強いのですが耐寒性が低いです。
東北地方や北海道などの寒冷地でこれらを育てると、冬の厳しい冷え込みや土壌の凍結によって枝枯れ(凍害)を起こし、
最悪の場合は株全体が凍死してしまうリスクが高いのでおすすめしません。
気難しい性格を持つ要注意な品種たち

気候の適合とは別に、品種そのものが遺伝的に「非常に気難しい」性格を持っているケースもあります。
その筆頭が、ノーザンハイブッシュ系の「スパルタン」です。
スパルタンは500円玉サイズにもなる巨大な果実をつけ、
風味も最高クラスと絶賛されるため、多くの人が憧れる品種です。
しかし、土壌環境の変化に極めて敏感で、
樹齢が3〜4年になって「さあ、これからたくさん実をつけるぞ」というタイミングで、
突如として枯死してしまう「突然死」のリスクを抱えています。
熟練者でない限り、自根(挿し木で増やした自身の根)のスパルタンを育てるのは避けたほうが無難かなと思います。
花が咲きすぎる品種も要注意!
サザンハイブッシュ系の「ミスティ」や「サウスムーン」なども、初心者には管理が難しい品種です。
特にミスティは非常に豊産性で花をたくさん咲かせますが、
自らの体力の限界を超えて実をつけようとするため、人間が適切に花芽を摘み取ってあげないと、
夏前に過労状態に陥って急激に調子を崩してしまいます。
放任栽培を望む方には全くおすすめできない品種ですね。
庭の地植えで失敗する大きな理由

ブルーベリーが求める特殊な土壌環境
お庭の空きスペースに直接ブルーベリーの苗を植え付けて、
シンボルツリーのように大きく育てたいと考える方はとても多いですよね。
しかし、事前の準備なしに日本の一般的な庭土に直接地植えすることは、
大きな失敗の元になります。
なぜなら、ブルーベリーは他の一般的な果樹や野菜とは全く異なる、非常に特殊な土壌環境を要求する植物だからです。
ブルーベリーが健康に育つための絶対条件は、
「pH4.5~5.5という強い酸性」であり、
かつ「有機質に富んで水はけと水持ちが両立したフカフカの土」であることです。
日本の庭土は一般的に弱酸性から中性であることが多く、
しかも雨で固まりやすい粘土質を含んでいることが少なくありません。
このような普通の土にブルーベリーを植えると、土の中の鉄分やミネラルをうまく吸収できなくなり、
葉っぱが黄色く変色する「クロロシス(鉄欠乏症)」を引き起こして、徐々に成長が止まり枯れてしまいます。
地植えでこの特殊な酸性環境を作り、しかも何年も維持し続けるためには、
植え穴を非常に大きく掘り、大量のピートモス(酸性の土壌改良材)を投入し続けるという、
途方もない労力と土壌管理の知識が必要になります。
土壌のpHを正確に把握せずに感覚で地植えするのはおすすめしません。
本気で地植えを成功させたいなら、プロの農家さんも使っているような
【高精度デジタル土壌酸度計・水分計】を1台持っておくと、
枯らすリスクを劇的に減らせるので長い目で見ればコスパが良い投資になりますよ。
サザンハイブッシュ系の根の弱さ
さらに品種の系統によっても、地植えの難易度は劇的に変わります。
特におすすめしないのが、「サザンハイブッシュ系」を初心者がいきなり地植えすることです。
サザンハイブッシュ系は、果実の品質が高く温暖地でも育てやすいため非常に人気がありますが、
実は3つの系統の中で最も根の張りが浅く、構造がデリケートという弱点を持っています。
鉢植えであれば、通気性の良い専用の土を使い、
水やりのタイミングをコントロールすることで理想的な環境を維持しやすいです。
しかし自然の庭(露地)では、長雨が続けば土は過湿状態になり、
真夏の炎天下ではカチカチに乾燥してしまいます。
環境の変化に対するストライクゾーンが極端に狭いサザンハイブッシュ系は、
ちょっと水はけが悪くなっただけで簡単に根腐れを起こし、
あっという間に樹勢が衰退してしまいます。
地植えに挑戦するなら、まずは土壌適応力が圧倒的に高い「ラビットアイ系」から始めるのが鉄則かなと思います。
さらに詳しい土の作り方については、こちらの関連記事でも解説していますので参考にしてください。
ベランダ栽培に向かない大型品種

ラビットアイ系の強健さが裏目に出る理由
マンションのベランダなど、限られた省スペースで鉢植え栽培を楽しみたいという方も増えていますよね。
初心者向けの入門品種として、園芸店やネットの情報で必ずと言っていいほど名前が挙がるのが、
ラビットアイ系の「ブライトウェル」や「オースチン」「ティフブルー」といった品種です。
確かにこれらは暑さに非常に強く、少々土の条件が悪くても枯れにくいという素晴らしい強健さを持っています。
しかし、ベランダという狭い空間に限って言えば、
これらラビットアイ系の強樹勢品種を選ぶことはおすすめしません。
最大の理由は、その「圧倒的なサイズの大きさ」にあります。
ラビットアイ系は成長のスピードが早く、地植えはもちろん鉢植えであっても、
成木になると樹高が2メートル近くに達し、枝も横に大きく暴れるように広がります。
ブルーベリーは後述するように、実をつけるためには必ず異なる2つの品種を並べて育てる必要があります。
つまり、この巨大になるラビットアイ系の鉢植えを、狭いベランダに最低でも2つ置かなければならないということです。
数年後には枝が四方八方に伸び、
ベランダの洗濯物を干すスペースを奪い取るほどのジャングル状態になってしまうのは目に見えています。
ベランダ特有の過酷な環境と病害虫
ただ場所を取るだけでなく、大型品種がベランダで密集してしまうことは、
植物の健康面でも深刻な問題を引き起こします。
葉っぱや枝が互いに激しく触れ合うほど過密になると、株の内部に太陽の光が全く届かなくなり、風通しも極端に悪化します。
ベランダはただでさえコンクリートの壁に囲まれて空気が滞留しやすい場所です。
そこに風通しの悪い茂みができると、樹液を吸うカイガラムシやアブラムシといった不快な害虫にとって、
天敵から身を隠せる最高の温床を提供することになってしまいます。
害虫の排泄物は、葉が真っ黒になる「すす病」という病気を引き起こし、
光合成ができなくなった木は一気に弱ります。
ベランダでの栽培に限定するならば、自然と樹形がコンパクトにまとまり、
横への広がりも控えめなサザンハイブッシュ系の「サンシャインブルー」などを選ぶのが断然おすすめです。
また、ベランダでの強烈な照り返しから根を守るためには、薄いプラスチック鉢ではなく、
断熱性に優れた【大型ファイバークレイ製 植木鉢】のような、
しっかりとした厚みのある鉢に投資すると、夏の水切れと根腐れの両方を防ぐことができるので安心ですよ。
虫の食害で突然枯れる弱い品種

見えない地下で進行するコガネムシの脅威
ブルーベリーを順調に育てていたのに、夏場にある日突然、
水切れしたように葉がしおれ、そのままあっけなく枯れてしまった…。
こうした悲しい経験談は後を絶ちません。
実はこの「突然の枯死」の裏には、ブルーベリー栽培における最大の天敵とも言える「コガネムシの幼虫」の存在が深く関わっています。
ブルーベリーを育てるために使用する、ピートモスを主体とした有機質たっぷりのフカフカで水はけの良い土は、
私たち人間だけでなく、
産卵場所を探すコガネムシのお母さんにとっても「これ以上ないほど理想的なベッド」に見えています。
夏から初秋にかけて、成虫が鉢の土の中に潜り込んで大量の卵を産み落とします。
恐ろしいのはここからです。
孵化した数十匹の幼虫たちは、土の中で越冬しながらブルーベリーの細くて柔らかい根を貪り食います。
被害はすべて土の「見えない地下」で進行するため、
地上部の葉っぱが元気なうちは栽培者は全く気づくことができません。
そして翌年の夏、いざ暑くなって木が大量の水分を必要としたときには、
すでに水を吸い上げる根っこが完全に無くなっており、一気に枯れ上がってしまうのです。
株元を掴んで揺らしたとき、スポンと抜けてしまうくらいグラグラになっていたら、それはコガネムシの仕業です。
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特定の品種が集中して狙われる謎
このコガネムシ被害において、
なぜか「特定の品種が異常なまでに狙われやすく、かつ枯死に直結しやすい」という残酷なデータが存在します。
その筆頭として必ず名前が挙がるのが、ノーザンハイブッシュ系の「ヌイ」と「チャンドラー」です。
ヌイはもともと樹勢がやや弱めで、根がダメージを受けた際の再生能力が低いという弱点を持っています。
さらに不思議なことに、他の品種をたくさん並べて育てている環境であっても、
なぜかコガネムシの成虫がヌイの鉢の匂い(あるいは根の分泌物)に惹きつけられ、
ピンポイントで産卵する確率が高いと多くの農園から報告されています。
また、500円玉サイズの巨大な実をつけることで有名なチャンドラーも、
樹勢自体はそれほど強くありません。
コガネムシに集中して狙われた場合、根へのダメージが直ちに致命傷となり、
回復できないまま重症化しやすい傾向があります。
こうした被害を防ぐには、物理的な防御が一番です。
産卵期に合わせて、鉢の表面を完全に覆い隠す【防護ネット】
などをしっかり設置できない環境であれば、
ヌイやチャンドラーを無防備に導入することは、
自ら進んで失敗の時限爆弾を抱え込むようなものなのでおすすめしません。
雨で実が割れる育てにくい品種

梅雨時の降雨がもたらす「裂果」のメカニズム
ブルーベリーの収穫期は、多くの地域で6月中旬から7月にかけての時期に重なります。
これはまさに日本の「梅雨」や初夏のゲリラ豪雨のシーズンと丸被りしています。
ここで初心者を絶望させるのが「裂果(れっか)」という深刻なダメージです。
裂果とは、収穫間近に熟してパンパンに膨らんだ果実が、
長時間の雨に打たれることで発生します。
根から急激に大量の水分を吸い上げたり、果実の表面から直接雨水を吸収したりすることで、
果肉内部の膨圧(内側から押し広げようとする力)が急上昇します。
その圧力に果皮の弾力性の限界が耐えきれなくなり、実がパックリと弾けて割れてしまう現象です。
一度裂果してしまった果実は、見た目が悪くなるだけでなく、
割れ目から急速に腐敗が進み、白や緑のカビが発生してしまいます。
もちろん食べることはできず、食用価値も商品価値も完全に失われます。
雨よけのビニール屋根(雨よけハウス)を持たない一般的な家庭菜園やベランダの露地栽培において、
裂果耐性の低い品種を選んでしまうと、
その年の梅雨の長さ次第で「せっかく実ったのに収穫量がゼロになる」という悲惨なリスクを抱え込むことになります。
雨よけなしでは育てられないデリケートな果実
裂果しやすい品種には明確な傾向があります。
もともと果皮が薄く繊細な品種や、実が房状に密集して水滴が長時間乾かない品種は、軒並み雨に弱いです。
以下の表に、露地栽培でおすすめできない代表的な裂果品種をまとめました。
| 裂果しやすい主な品種 | 特徴と避けたい理由 |
|---|---|
| ミレニア(サザンハイブッシュ系) | 果皮が非常に薄く、収穫期の雨に数回当たっただけで高確率で実が割れてしまう。 |
| ブライトブルー(ラビットアイ系) | 強健なラビットアイ系の中でも、特に裂果の発生率が明らかに高く露地栽培に向かない。 |
| バルドウィン(ラビットアイ系) | 実がブドウのように密な房状になるため、果実同士の圧迫と水分の滞留で割れやすい。 |
雨よけ設備を用意できない環境下では、これらの裂果リスクが高い品種の導入は見送り、
「オースチン」や「デューク」といった比較的雨に強いタフな品種を優先して選ぶのが鉄則です。
もしどうしても美味しい繊細な品種を雨ざらしの庭で育てたい場合は、
後付けできる【家庭菜園用 小型雨よけドームテント】などを設置して、
物理的に雨を防ぐ工夫が必須かなと思います。
ブルーベリーでおすすめしない品種の回避策
気難しい品種の特徴が分かったところで、ここからは失敗を確実に回避して、
おいしいブルーベリーをたっぷり収穫するための具体的な対策についてお話ししますね。
ちょっとした知識の差が、数年後の収穫量に大きな違いを生み出します。
実がならない理由と失敗の防ぎ方

自家不和合性というブルーベリー特有の性質
ブルーベリー栽培において、枯らしてしまうのと同じくらい多い初心者の失敗例が
「木は大きくなって春には綺麗な花もたくさん咲くのに、初夏になっても一向に実がならない」というものです。
この原因の9割以上は、ブルーベリー特有の受粉メカニズムに対する理解不足と、不適切な品種の組み合わせにあります。
多くのブルーベリー品種は「自家不和合性(じかふわごうせい)」という遺伝的な性質を持っています。
これは、自分自身の花粉、あるいは全く同じ品種(クローン)の花粉が雌しべの先についたとしても、
植物自身が「これは自分の花粉だ」と認識して受精を拒絶してしまい、
結果として実が膨らまない(あるいは極端に小さくなる)という性質です。
特にラビットアイ系においては、この自家不和合性の性質が極めて強固です。
したがって、スペースの都合などでラビットアイ系の品種を「1本だけ」ポツンと植える行為は、
例外なく結実不良の失敗に直結するため絶対に避けてください。
確実な収穫を得るためには、
必ず「同じ系統(ラビットアイ系ならラビットアイ系同士)」の「異なる品種」を2本以上、
ミツバチが行き来できる距離(概ね2メートル以内)に並べて混植し、
交雑受粉(他家受粉)を促すことが必須要件となります。
開花時期のズレと生理落果のジレンマ
異なる品種を2本植えたとしても、まだ安心はできません。
「開花時期(花が咲くタイミング)」がピッタリ重なっていなければ、
お互いに花粉のやり取りができないからです。
また、品種固有の生理的特性によって、著しく実がつきにくいクセを持つ品種も存在します。
例えば、完熟すると鮮やかなピンク色になる珍しいハイブリッド品種の「ピンクレモネード」は、
非常に観賞価値が高く人気ですが、
全国の愛好家から「花は咲くのに実がならない」という悲鳴が最も多く寄せられる品種でもあります。
樹勢が強すぎるため、春先に窒素肥料が少しでも効き過ぎると、
果実を育てるモードから自らの枝葉を伸ばすモードへと急激に切り替わってしまい、
結実したばかりの幼果を自らポロポロと落としてしまう(生理落果)のです。
また、サザンハイブッシュ系の「シャープブルー」や「サファイア」といった超極早生品種は、
休眠から覚めるのが極端に早く、まだ寒い2月頃に満開になってしまうことがあります。
この時期は受粉してくれる昆虫が自然界にいないため人工授粉が必須ですし、
3月の遅霜に当たれば花が凍ってその年の収穫はゼロになります。
確実に収穫を楽しみたい初心者の方には、こうしたマニア向けの品種はおすすめしません。
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枯れるリスクを下げる苗の選び方

ホームセンターに潜む「老化苗」の見分け方
品種選びの知識を深めたとしても、実際に購入する「苗木の状態」が悪ければ、
栽培はスタート地点ですでに躓いていることになります。
春先になるとホームセンターや量販店の園芸コーナーには手頃な価格のブルーベリー苗が大量に並びますが、
そこには大きなリスクが潜んでいることがあります。
絶対に買ってはいけないのが、長期間日陰に置かれてヒョロヒョロと枝が細く間延び(徒長)した苗や、
水やりが不十分で土がカラカラに乾燥しきっている苗です。
さらに悪質なケースとして、ラベルには立派に「3年生苗」と書かれていても、
極小のビニールポットに入れられたまま何年も放置され、
極度の根詰まりを起こしている「老化苗」が存在します。
ポットの底穴を覗いてみて、茶色く木質化した太い根がグルグルと飛び出して固まっているような苗は危険信号です。
このような老化苗は、家に持ち帰ってどんなにフカフカの良い土に植え替えても、
新しい根(発根)を伸ばすエネルギーを失っており、何年経っても新しい枝を出さずに成長が停滞してしまいます。
失敗したくないなら、多少価格が高くても、
プロがしっかり根を育てた【3年生 大苗2】などをブルーベリー専門のナーセリーから直接通販で購入するのが、
最終的なコストパフォーマンスに優れます。
絶対に知っておくべきパテント(PVP)品種の法律
もう一つ、最近の品種選びで絶対に知っておかなければならないのが「種苗法(しゅびょうほう)」に基づく法的リスクです。
近年、国内外の大学や種苗会社による品種改良が進み、
果実の大きさや味、病気への強さが画期的に向上した素晴らしい新品種
(スノーチェイサーやエメラルドなど)が多数流通するようになりました。
これらの最新の優良品種の多くは、開発者の長い年月と莫大な労力による権利を守るため、
「登録品種(PVP:Plant Variety Protection)」として法律で保護されています。
苗木を購入して自宅の庭で育て、収穫した果実を家族で楽しむこと自体は全く問題ありません。
しかし、購入した苗の枝を切り取って「挿し木」などで無断で増やし、
それをフリマアプリで販売したり、あるいは無償であっても友人に譲渡したりする行為は明確な法律違反(育成者権の侵害)となります。
たとえ悪意のない個人間のやり取りであっても、違反した場合には差し止め請求や重い損害賠償、
場合によっては刑事罰の対象となる可能性があります。
(出典:農林水産省『種苗法について』)パテント品種のラベルには必ず「PVP」というマークが記載されていますので、
安易な自己増殖は絶対に行ってはいけないという認識を強く持ちましょう。
虫や病気から庭の木を守る対策
幹を内部から食い破るカミキリムシの恐怖
お庭での地植えや、屋外での大きな鉢植え栽培において、
先ほど挙げたコガネムシと双璧をなす恐ろしい害虫が「カミキリムシ(特にゴマダラカミキリ)」です。
コガネムシが根を狙うのに対し、カミキリムシは成虫が木の根元付近の樹皮をかじって卵を産み付け、
孵化した幼虫が幹の内部(木質部)をトンネルのように食い荒らしながら成長します。
木の内部の水を吸い上げる導管がズタズタにされるため、
発見が遅れると立派に育った成木であっても数週間で完全に枯死してしまいます。
カミキリムシの被害を防ぐためには、日頃の観察が欠かせません。
株元の地面に、まるでオガクズのような細かい「木屑(フラス)」が落ちていたら、
それは幹の中に幼虫が潜んで木を削り出している決定的な証拠です。見つけたら即座に専用の殺虫剤を注入するなどの対処が必要です。
こうした虫害の早期発見を妨げるのが、株元に雑草が生い茂っていたり、
枝葉が密集してジャングル状態になっている環境です。
風通しと見通しを良くしておくことが、結果的に木を病害虫から守る最強の予防策となります。
剪定地獄に陥りやすい旧世代品種のデメリット
病害虫への対策として欠かせないのが「剪定(枝切り)」の作業ですが、
ここでも品種選びのミスが将来の労力を大きく左右します。
ブルーベリーは放っておくと枝が際限なく増え続け、光が内部に入らなくなるため、
毎年冬に不要な枝を切り落とす剪定作業が不可欠です。
過去に入門品種として広く流通していた「ホームベル」や「オクラッカニー」といったラビットアイ系の古い品種は、
非常に強健である反面、成木になると根元から「サッカー(吸枝)」と呼ばれる、
勢いだけが強くて実をつけない不要な枝が大量に発生する性質を持っています。
これを放置すると、本来果実を育てるべき主幹に栄養がいかなくなり、ジャングル化が加速します。
毎年のようにこの大量のサッカーを根元から切り落とし、
細かく分岐した小枝を整理する剪定作業は、想像以上に煩雑で過酷な労力を伴います。
作業を少しでも楽にして木へのダメージを減らすためにも、
スパスパと切れる【フェルコ(FELCO) プロ用高級剪定鋏】
のような一生モノの道具を持っておくのはすごくオススメですが、
そもそも手入れの時間を十分に確保できない忙しい方には、
枝が暴れやすい旧世代の品種はあえて選ぶべきではないかなと思います。
ベランダでも失敗しない栽培方法
照り返しと乾燥を防ぐベランダの環境づくり
マンションのベランダという特殊な環境下でブルーベリーを健康に育てるためには、
品種選びだけでなく、ベランダ特有の過酷な気象条件から鉢を守る工夫が絶対に必要です。
ベランダ栽培で最も警戒すべきは、真夏の強烈な「コンクリートの照り返し」と「エアコンの室外機から出る熱風」です。
鉢をコンクリートの床に直接置いてしまうと、
日中の強烈な日差しで熱せられた床の温度がダイレクトに鉢の中に伝わり、
土の中の温度が40度近くまで上昇してしまいます。
こうなると、暑さに強いはずの品種であっても根が煮えてしまい一発で根腐れを起こします。
これを防ぐためには、必ず「フラワースタンド(鉢台)」やスノコを使って鉢を床から浮かせ、
風の通り道を作ってあげることが重要です。
また、室外機の熱風が直接当たる場所は、強烈な乾燥を引き起こし葉をチリチリに枯らしてしまうため、
絶対に避けて配置してください。
日中家を空けることが多く水やりが不安な方は、
スマホで管理できる【高機能 自動水やりタイマー&点滴ホースセット】を導入すると、
真夏のうっかり水切れによる枯死を完璧に防げるので、安心感が段違いですよ。
絶対に妥協できないピートモス主体の酸性土作り
そして、ベランダでの鉢植え栽培において、品種や置き場所以上に妥協してはならないのが「土作り」です。
ホームセンターで安く売られている「野菜の土」や「花と野菜の培養土」をそのまま使ってブルーベリーを植え付けるのは、
絶対にやってはいけないNG行動の代表例です。
ブルーベリーはpH4.5~5.5という強い酸性の土壌でしか、鉄分をはじめとする微量要素を吸収できません。
一般的な培養土はpH6.0~7.0程度に調整されているため、確実に成長不良を起こします。
必ず「ブルーベリー専用土」を購入するか、
自分で配合する場合は「無調整ピートモス」と「鹿沼土(酸性の軽石)」を同量(1:1)で混ぜ合わせたものを基本としてください。
プロクオリティを目指すなら、不純物が少なく酸度が安定している【無調整ピートモス 大容量】をベースに使うと、根の張りが全然違ってきます。
自分で土を作る際の最大の注意点は、ピートモスは完全に乾燥していると水を強烈に弾く性質があるということです。
使う前に必ずバケツにピートモスを入れ、
水を少しずつ加えながら両手でしっかりと揉み込んで、
ハンバーグのタネのようになるまで十分に吸水させてから使うのがコツです。
この一手間を惜しまないことが、ベランダ栽培で枯らさないための最大のポイントになります。
ブルーベリーのおすすめしない品種まとめ

環境の客観的な評価が成功への第一歩
ここまで非常に長く詳細に解説してきましたが、
ブルーベリー栽培における「おすすめしない品種」とは、決してその品種の果実が不味いとか、
存在価値がないといった単一の理由で決まるものではありません。
それはひとえに、「あなたが栽培しようとしている環境やライフスタイル」と、
「その品種が持つ独自の遺伝的性格」との間にあるミスマッチによって生じる悲劇のことです。
北海道のプロの農家が育てて最高の収穫を得ている品種が、
東京や京都のマンションのベランダでうまく育つとは限りません。
まずは自分の住んでいる地域の気候(夏はどれくらい暑いか、冬はどこまで冷え込むか)を冷静に把握し、
そして栽培に使えるスペースの広さ、
毎日の水やりや冬の剪定にどれくらいの時間を割けるのかを客観的に評価することが、
失敗を避けるための最初の一歩となります。
まずは栽培実績の豊富な標準品種から始めよう
初心者のうちは、ネットやカタログで見かける「極大粒!」「珍しいピンク色の果実!」
「超早生で早く食べられる!」といった魅力的なキャッチコピーにどうしても心が躍ってしまいがちです。
しかし、そうした尖った特徴を持つパテント品種などは、
プロの環境制御技術があってこそ本領を発揮する気難しい一面(突然死、裂果、生理落果など)を持ち合わせていることが多々あります。
最初の数年は、長年にわたって日本全国で栽培されてきたタフな「標準品種」からスタートすることを強く推奨します。
関東より西の温暖な地域であれば、
土壌適応力が高く暑さにも強いラビットアイ系の「ブライトウェル」と「オースチン」の組み合わせが鉄板です。
東北などの寒冷地であれば、寒さに強く安定して良質な実をつけるノーザンハイブッシュ系の
「ブルーレイ」や「デューク」などが育てやすくておすすめです。
本記事で紹介したような「自分の環境に合わない条件」を一つずつ消去法で論理的に排除していけば、
自ずとあなたにとっての「最高の品種」が見えてくるはずです。
ぜひ焦らず、じっくりと品種選びを楽しんでくださいね。
この記事に関するご注意事項
本記事で紹介した土壌改良や防虫対策にかかる労力、気温や降雨などの気象条件による植物への影響などのデータは、あくまで一般的な目安となります。また、PVP(登録品種)などの法律に関わる取り扱いや、農薬の安全な使用基準については頻繁にルールが更新される場合があります。正確な最新情報は必ず省庁やメーカーの公式サイトをご確認いただくか、最終的な判断はお近くの園芸専門家にご相談くださいね。

