さつまいも栽培のクライマックスといえば、やっぱり収穫の秋ですよね。
「さつまいも 収穫 前 つる切り」というキーワードで検索してこのページに辿り着いたあなたは、
きっと手塩にかけて育てた大きく育ったお芋を目の前にして、
ワクワクしながらも「いつつるを切ればいいの?」
「雨の日は避けたほうがいいのかな?」といった疑問や不安をお持ちなのではないでしょうか。
実は、このつる切りのタイミングひとつで、さつまいもの甘さや保存期間、
さらには見た目の美しさまでもが大きく変わってしまうんです。
私自身も家庭菜園を始めたばかりの頃は、「えっ、収穫の当日に全部やればいいんじゃないの?」
となんとなく当日にバタバタと行っていました。
でも、正しい時期と理由を知ってからは、収穫したお芋の美味しさと日持ちの良さに本当に驚くようになりました。
今回は、そんなつる切りのベストな時期や、絶対にやってはいけない雨天時の注意点、
そして切ったつるの無駄のない活用法まで、私の失敗談や経験を交えてたっぷりと分かりやすくお話しします。
この記事を読めば、あなたのさつまいも作りがワンランクアップすること間違いなしです!
この記事で分かること
- 収穫の1週間前につるを切ることで甘みが増し保存性が高まる理由
- 雨の日のつる切りが厳禁である具体的な理由と腐敗リスク
- 紅はるかや安納芋など品種によって異なるつる切りのタイミング
- 初心者でも失敗しないつる切りの手順と切った後の活用方法
さつまいも収穫前のつる切りで甘さを引き出す

収穫直前のつる切りは、単に畑の邪魔な葉っぱを片付けるだけの作業ではありません。
実は、土の中で眠るお芋の甘さを最大限に引き出し、
長期保存に耐えられる丈夫な皮を作るための「準備期間」として、非常に重要なプロセスなんです。
ここでは、なぜ事前に切る必要があるのか、そのメカニズムとベストなタイミングについて深掘りしていきますね。
収穫時期の何日前に切るのがベスト?

結論からズバリ申し上げますと、つる切りのベストなタイミングは収穫予定日の1週間前です。
「えっ、そんなに前から準備するの?」「枯れてしまわないか心配…」と驚かれるかもしれませんが、
これにはちゃんとした科学的な理由があります。
多くのプロの農家さんや熟練の家庭菜園愛好家の間では、
この「1週間前」というのが成功のための黄金律として知られているんですよ。
具体的にイメージしてみましょう。
例えば、次の日曜日に家族みんなで芋掘り大会を計画しているとします。
その場合、その前の週末、つまり日曜日に事前につるを切っておくのが理想的なスケジュールになります。
こうすることで、収穫当日までの丸1週間、さつまいもは地上部の葉がない状態で土の中で過ごすことになります。
なぜこの期間が必要なのかというと、
つるを切ってから収穫までの間に、土の中でさつまいもに「仕上げ」の時間をあげることができるからです。
つるがつながっている間は、さつまいもは常に根から水分を吸収し、
葉からは光合成産物を受け取ろうとして活動しています。
しかし、収穫直前になると、もうお芋の肥大は十分に進んでいます。
この段階でつるを切ることで、「もう成長しなくていいよ、これからは味を深める時間だよ」と教えてあげるようなイメージですね。
もちろん、どうしても週末に時間が取れない場合や、
急な予定変更がある場合もあるでしょう。
そんな時でも、最低でも収穫の3日前にはつる切りを済ませておきたいところです。
3日前でも、表皮の強化には一定の効果があります。
しかし、私の経験上、やはり余裕を持って1週間前に済ませておくことで、
収穫時の皮剥けトラブルが激減し、より確実にお芋の品質を高めることができます。
当日につるを切ってすぐ掘ると、皮が薄すぎてボロボロ剥けてしまい、そこから傷みやすくなるので、できるだけ避けたいですね。
芋が甘くなる理由と表皮への効果

では、なぜつるを切るとお芋が甘くなるのでしょうか。
そして、「皮が強くなる」とはどういうことなのでしょうか。
これには植物の巧みな生理現象が関係しています。
決して魔法ではなく、理にかなったメカニズムがあるんです。
まず「甘くなる理由」についてです。
つるを切るということは、根から吸い上げた水分を葉へ送るためのポンプ機能(蒸散流)を強制的にストップさせることを意味します。
そうすると、地中のさつまいもへの過剰な水分供給が絶たれます。
これにより、塊根(お芋)の中の水分が徐々に抜け、全体の成分がギュッと濃縮されていくのです。
水分が減ることで、単位重量あたりの糖分濃度が相対的に高まり、
結果として食べた時に「甘い!」と感じやすくなります。
また、切断されたショック(ストレス)によって、
お芋が自らの身を守るために貯蔵デンプンを分解して糖に変えようとする生理反応も、
わずかながら期待できます。
次に、さらに重要なのが「表皮への効果」です。
これを専門用語で「コルク化(Suberization)」と呼びます。
掘りたてのさつまいもの皮は、実は非常に薄くてデリケートです。
赤ちゃんの肌のように、少し爪が当たっただけで簡単に剥けてしまいますよね。
皮が剥けると、見た目が悪いだけでなく、そこからカビや細菌が侵入し、貯蔵中に腐ってしまう最大の原因になります。
しかし、つるを切って土の中で1週間過ごさせると、お芋は乾燥から身を守るために、
表皮を厚く、硬く変化させます。これがコルク化です。
この状態になってから収穫すれば、スコップが少々当たっても、芋同士がぶつかっても、
皮が剥けにくくなります。
つまり、「つる切り後の放置期間=お芋の天然の鎧(よろい)を作る期間」と言えるのです。
長期保存して冬の間中おいしい焼き芋を楽しみたいなら、この工程は絶対に欠かせません。
つる切りの2大メリットまとめ
- 甘みの凝縮(成分濃縮):余分な水分が抜けることで、水っぽさがなくなり、
ホクホク感と濃厚な甘みが引き出されます。 - 表皮の強化(コルク化):表皮がしっかりと硬くなることで、収穫時の機械的ダメージを防ぎ、
病原菌の侵入をブロックする最強のバリアとなります。
雨の日の作業は腐敗の原因になる

つる切りをする計画を立てていた週末、あいにくの雨予報…。
そんな時、「カッパを着てやればいいか」と無理に作業をしてはいけません。
つる切りにおいて、雨は最大の敵であり、絶対に避けなければならないリスク要因なのです。
なぜ雨の日のつる切りがダメなのか。
それは、つるを切るという行為が、植物体に大きな「開放創(切り口)」を作る手術のようなものだからです。
晴れた乾燥した日であれば、
切り口はすぐに乾いて「カルス」というかさぶたのような組織ができ、菌の侵入を防いでくれます。
しかし、雨の日や雨上がりの湿った状態で切ると、
切り口がいつまでも乾かず、ジュクジュクした状態が続きます。
この濡れた切り口は、病原菌にとっての「正面玄関」となってしまいます。
特に恐ろしいのが「軟腐病(なんぷびょう)」や、近年全国的に猛威を振るっている「サツマイモ基腐病(もとぐされびょう)」です。
これらの病原菌は水分を介して移動し、傷口から侵入するのが得意です。
もし雨の日に切ってしまい、切り口から菌が入ると、茎の維管束を通って地中のお芋まで菌が到達し、
収穫前や保存中に中身をドロドロに腐らせてしまう恐れがあります。
雨天時のリスクと泥はねの恐怖
雨粒が地面を叩くと、土壌中の細菌を含んだ泥水が跳ね上がります(泥はね)。
この泥水がフレッシュな切り口に付着すると、感染確率は飛躍的に高まります。
また、足元がぬかるんでいると作業効率も悪く、誤って芋を踏んでしまうリスクもあります。
確実な収穫を目指すなら、必ず「晴れていて、茎葉が完全に乾いている日」を選んで作業してください。
天気予報とにらめっこして、つる切り当日だけでなく、その後2〜3日間も雨が降らない予報のタイミングを狙うのがベストです。
もしつる切り後に予期せぬ長雨が続いてしまった場合は、無理に収穫せず、
土壌水分がしっかり抜けるまでじっと待つのが賢明な判断です。
腐敗リスクを避けるための基本技術については、公的な栽培指針などでも強調されています。
(出典:千葉県『サツマイモ栽培技術指針』)
紅はるかや安納芋など品種別の違い

最近の家庭菜園では、スーパーではあまり見かけないような珍しい品種や、
高級ブランド品種を育てる方も増えていますよね。
実は、さつまいもは品種によって性格が異なり、つる切りのタイミングやその後の管理にも少しずつ「癖」があるんです。
ここでは、代表的な品種ごとのつる切り戦略についてお話しします。
まずは、今や焼き芋界の絶対王者とも言える「紅はるか」。
この品種の特徴は、なんといってもその圧倒的な甘さと、しっとりとした食感です。
しかし、この甘さは掘りたてですぐに味わえるものではありません。
収穫後、1ヶ月〜数ヶ月じっくりと貯蔵することで、デンプンが糖化して蜜のような甘さが生まれるのです。
そのため、紅はるか栽培においては「長期保存ができる状態に仕上げること」が何より重要になります。
皮が剥けていては長期保存は不可能ですから、収穫1週間前のつる切りを徹底し、表皮をカチカチに硬化させることが、
数ヶ月後の極上の焼き芋への第一歩となります。
次に、根強い人気の「安納芋」。
ねっとり系さつまいもの代表格ですが、
この子は南国の種子島生まれということもあり、寒さに対して非常にデリケートです。
もちろん皮の硬化は重要ですが、もし収穫時期に急な寒波が来て、気温が10℃を下回るような予報が出た場合は要注意です。
寒さに当たって腐るリスクと、皮の硬化を天秤にかける必要があります。
場合によっては、1週間待たずに、つる切りから2〜3日で早めに収穫(早期撤収)してしまう判断も必要になるでしょう。
「安納芋は寒さに弱いお嬢様」と覚えておいてください。
そして、ホクホク系の代表「鳴門金時」や「紅あずま」。
これらは早掘りして鮮度を楽しむことも多い品種です。
早掘りする場合(9月などまだ気温が高い時期)は、つるを切ってから長く放置すると、
地温が高いためにすぐに新しい芽が出てきてしまう(再萌芽)リスクがあります。
そのため、これらの品種を早めに収穫する場合は、つる切りから収穫までの期間を少し短めの2〜3日〜5日程度に設定し、
再萌芽する前に掘り上げてしまうのがコツです。
品種ごとのつる切り戦略マトリクス
| 品種 | 特徴・性格 | つる切りの推奨タイミングと注意点 |
|---|---|---|
| 紅はるか | 貯蔵性が高く、寝かせると激甘に。 | 1週間前推奨。長期保存のために皮の完全硬化を最優先する。 |
| 安納芋 | 水分が多く、寒さに極端に弱い。 | 寒波到来なら即収穫。寒さで腐るよりは、皮が薄くても掘り上げる判断を。 |
| 鳴門金時 紅あずま | 早掘り適性が高い。萌芽力が強い。 | 3日〜5日前。地温が高い時期は、再萌芽する前に手早く収穫へ移行する。 |
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霜が降りる前に終わらせる重要性
秋が深まり、朝晩の冷え込みが厳しくなってくると、
さつまいも栽培における最大のタイムリミットが迫ってきます。
それが「初霜(はつしも)」です。
「霜が降りると野菜がおいしくなる」なんて言われる野菜もありますが、
熱帯原産のさつまいもにとって、霜は死の宣告に等しいものです。
霜が降りる目安となる気温は、一般的に4℃以下と言われていますが、地表付近はもっと冷え込んでいます。
もし霜が降りてしまうと、地上部の葉や茎は一晩で水分が凍結し、
細胞が破壊されてドロドロに溶けたように黒変して枯れてしまいます。
これだけでもショックですが、さらに深刻なのは地中の芋へのダメージです。
地温が9℃以下(品種によっては13℃以下)になると、さつまいもは「低温障害(Chilling injury)」を受けます。
これは人間でいう凍傷のようなもので、細胞膜の構造が壊れてしまいます。
低温障害を受けたお芋は、見た目は普通でも、貯蔵中に中身が褐色に変色したり、
ブヨブヨに軟化して腐りやすくなったり、味が極端に落ちて苦味が出たりします。
「霜が降りた後に掘った芋は保存できない」というのは、このためです。
ですから、つる切りの計画を立てる際は、必ずお住まいの地域の「初霜の平年日」や週間天気予報を確認し、
「初霜が降りる前」に全ての作業(つる切り→乾燥→収穫)を完了させる必要があります。
もし、「来週つるを切る予定だったけど、明日の朝は氷点下の予報だ!」なんていう緊急事態が発生したらどうするか。
その場合は、1週間前ルールはいったん忘れて、緊急避難的にすぐにつるを切り、
その上に土を厚く被せたり、藁(わら)やビニールマルチを掛けて地温低下を防ぐ応急処置を行ってください。
そして、気温が上がる日中を待って、できるだけ早く掘り上げてしまいましょう。
さつまいも収穫前のつる切り手順と雨対策
つる切りのベストなタイミングと理論が分かったところで、いよいよ実践編です。
次は具体的な作業手順について、ステップバイステップでお話しします。
「ただ鎌で切るだけでしょ?」と思われがちですが、実はプロも実践している「ちょっとしたコツ」があるんです。
これを知っているだけで、その後の収穫作業(芋掘り)の労力が半分以下になり、お芋を傷つけるリスクも減らせますよ。
根元の茎を少し残す切り方のコツ
いざ畑に出て、鎌を構えたあなた。つるを地面スレスレ、あるいは地中ギリギリでバッサリと切ろうとしていませんか?
実はそれ、非常にもったいない切り方なんです!
私の推奨する、そして多くの熟練者が実践している切り方は、
「地際から10cm〜15cmほどの茎(つるの根元)をあえて残して切る」という方法です。
なぜ茎を残す必要があるのでしょうか。理由は大きく分けて2つあります。
1つ目の理由は、「収穫時の取っ手(ハンドル)になるから」です。

芋掘りのシーンを想像してみてください。
スコップで周りの土を掘り起こし、最後にお芋を引き抜く時、
持つ場所がないと土の中のお芋を直接手で探り当てて引っ張らなければなりません。
しかし、頑丈な茎が15cmほど残っていれば、それをガシッと掴んで、
ズボッと豪快に引き抜くことができます。
この「取っ手」があるおかげで、収穫作業の効率が劇的に向上し、腰への負担も軽減されるんです。
2つ目の理由は、「お芋のありかを示す目印(マーカー)になるから」です。
つるを完全に除去してしまうと、広い畑のどこにお芋が埋まっているのか、一見しただけでは分からなくなってしまいます。
その結果、見当違いの場所にスコップを突き立ててしまい、「ガリッ!」という嫌な音とともに、
大切なお芋を真っ二つに切断してしまう…
という悲劇が起こりやすくなります。
茎がぴょこんと立っていれば、「ここにお芋があるぞ!」と教えてくれるので、
そこから適度な距離(30cm程度)を離してスコップを入れることができ、
誤って傷つける事故(機械的損傷)を大幅に防ぐことができるのです。
ワンポイント・アドバイス
つるを切る前に、まず畝(うね)の通路にはみ出しているつるを、畝の上に持ち上げるようにして整理する「つる返し」をしておくと、株元が見やすくなり、スムーズに切ることができますよ。
鎌などの道具と病気予防の消毒

つる切りに必要な道具は、シンプルですが選び方と扱いに注意が必要です。
基本は「よく切れる鎌(かま)」です。
特に「鋸鎌(のこぎりがま)」と呼ばれる、刃がギザギザになったタイプは、繊維質の強いつるもザクザク切れるのでおすすめです。
私が愛用しているのは、ステンレス製の鋸鎌です。
錆びに強く、泥がついたつるでもスパッと切れるので、作業ストレスが全然違いますよ。
また、株元が木質化して太くなっている場合は、無理に鎌を使うと刃がこぼれたり、手首を痛めたりすることがあります。
そういう太い茎には「剪定バサミ」を使うのが正解です。
園芸用のしっかりしたものを一つ持っておくと、ナスの枝切りなど他の野菜にも使えて便利です。
そして、ここで絶対に忘れてはいけないプロの常識があります。
それは「道具の消毒」です。
「えっ、手術じゃあるまいし、畑仕事で消毒?」と思われるかもしれません。
しかし、サツマイモの世界には、ハサミや鎌を介して次々と感染を広げる恐ろしい病気が存在します。
特に「サツマイモ斑紋モザイクウイルス」や「基腐病」などは、感染した株を切ったその刃で隣の健康な株を切るだけで、
汁液を介して簡単に感染してしまいます。
せっかくここまで育てたのに、最後のつる切りで病気を広げてしまっては元も子もありません。
対策は簡単です。一株切るごとに、あるいは数株ごとに、刃先を消毒する習慣をつけましょう。
農業現場でよく使われているのは「ビストロン」という消毒液ですが、
家庭菜園であればスプレータイプの消毒用エタノールでも代用可能です。
ちなみに、つるからは「ヤラピン」という白いネバネバした汁が出ます。
これが手や服につくと黒く変色して、洗ってもなかなか落ちません。
作業の際は、汚れてもいい服と、汁が染み込みにくいゴムコーティングされた手袋を着用することを強くおすすめします。
「面倒だな」と思うそのひと手間と準備が、来年の畑の土を守り、美味しいお芋を守る最大の防御策になります。
ぜひ、消毒セットと手袋を畑に持参してくださいね。
切った後はそのまま放置して乾燥
無事につるを切り終えたら、次はどうすればいいでしょうか。
「切ったらすぐにマルチ(黒いビニール)を剥がしたほうがいいの?」
それとも「マルチはそのまま?」という質問をよくいただきます。
正解は、「つるを切ったら、その日のうちにマルチを剥がして、土の表面を日光と風に当てる」ことです。
つる切りの目的の一つは、土の中の余分な水分を抜くことでしたよね。
マルチを張ったままだと、土の中の水分が蒸発できず、蒸れた状態が続いてしまいます。
これでは、せっかくの「甘み濃縮効果」や「表皮のコルク化」が半減してしまいます。
理想的な収穫までのフローは以下の通りです。
- 【晴天の日】つるを切り、刈り取ったつるを畑の外に持ち出す。
- 続いて、黒マルチをきれいに剥がし、土の表面を露出させる。
- 【待機期間】そのまま3日〜1週間、雨の降らない期間待つ。太陽光と風で土を乾かす。
- 【晴天の日】土が白っぽく乾いていることを確認して、いざ収穫!
土がサラサラに乾いている状態で収穫できれば、お芋に泥があまり付着せず、
収穫後の「土落とし」や「乾燥調整」の作業が驚くほどスムーズに進みます。
泥だらけの芋は洗いたくなりますが、保存前の水洗いは腐敗の元なので厳禁。
だからこそ、畑にいる段階で土を乾かしておくことが重要なのです。
放置しすぎて芽が出た時の対処法

「仕事が忙しくて、つるを切ってから2週間以上経ってしまった…」
あるいは「つる切り後に長雨が続いて、なかなか掘れなかった…」なんていうトラブルもよくあります。
そんな時、畑に行ってみると、切った茎の脇や、土の中から、新しい芽がニョキニョキと出ていることがあります。
これを「再萌芽(さいほうが)」や、農家用語で「あがり」と呼びます。
再萌芽(あがり)は品質低下のサイン!
植物にとって「新しい芽を出す」というのは、ものすごいエネルギーを使う行為です。
では、そのエネルギーはどこから来ているのでしょうか?
そう、あなたが楽しみにしている「お芋のデンプン」を分解して使っているのです!
再萌芽を放置すると、お芋の栄養分がどんどん新芽に奪われてしまい、
味が落ちるだけでなく、繊維っぽくなったり、
お芋の中に「す(空洞)」が入ってスカスカになったりする原因になります。これは非常事態です。
もし芽が出てきてしまったら、見つけ次第すぐに手で摘み取ってください。
そして、これ以上エネルギーを消費される前に、天候を見計らってできるだけ早く収穫してしまいましょう。
やはり、つる切りから収穫までの期間は、長くても1週間程度に留めるのが、品質を保つための安全圏だと言えますね。
切ったつるはリースや料理に活用
さて、つる切り作業が終わると、足元には大量のつる(茎葉)の山ができます。
「これ、全部ゴミとして捨てるのか…運ぶのも重労働だな…」と溜息をつく前に、
ちょっと待ってください!このつる、実はただのゴミではなく、素敵な資源になるんです。
まず、おしゃれな活用法として「リース作り」があります。
収穫直後のつるは水分を含んでいて柔らかく、自由自在に曲げることができます。
葉っぱを取り除いた長いツルを、グルグルと輪っか状に編んでいき、
数日間乾燥させれば、世界に一つだけのナチュラルな「リース土台」の完成です。
100円ショップで買うよりも味がありますし、松ぼっくりやリボンで飾り付ければ、
素敵なクリスマスリースになります。お子さんと一緒に作るのも楽しい思い出になりますよ。
そして、もう一つは「食用」としての活用です。
「えっ、さつまいものつるって食べられるの?」と驚く方も多いですが、
戦中戦後の食糧難の時代だけでなく、アジア諸国では今でも栄養満点の「機能性野菜」として親しまれています。
特に茎の部分(葉柄)は、ポリフェノールやビタミン類が豊富です。
調理法は簡単。
太めの茎を選び、薄い皮をスルスルと剥きます(フキの皮を剥く要領です)。
これを適当な長さに切り、ごま油で炒めて醤油と砂糖、唐辛子で味付けすれば、
シャキシャキとした食感がたまらない「芋づるのきんぴら」の出来上がり!
一度食べると、お芋本体よりもこっちが好きというファンもいるほどの美味しさです。
畑の恵みを余すところなくいただく、これぞ家庭菜園の醍醐味ですよね。
さつまいも収穫前のつる切りで品質向上(まとめ)

今回は「さつまいも 収穫 前 つる切り」をテーマに、最適な時期や具体的な手順、
そしてその裏にある植物生理学的な理由まで詳しくお話ししてきました。
長くなってしまいましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございます。
改めて要点を整理すると、「収穫の1週間前の晴れた日につるを切る」、
そして「雨の日の作業は絶対に避ける」。
この2点を守るだけで、家庭菜園のさつまいもは、プロ顔負けの甘さと貯蔵性を持つようになります。
つる切りは、単なる収穫の準備作業ではなく、
半年間育ててきたさつまいもの品質を決定づける、最後の重要な「仕上げ工程」なのです。
そして最後に、せっかく美味しく仕上げたさつまいもを長く楽しむためには、収穫後の保存も大切です。
土付きのまま新聞紙に包んで段ボールに入れるのが基本ですが、
最近はさつまいも専用の鮮度保持袋なども販売されていて、これが意外と優秀なんです。
今年の秋は、ぜひこの「1週間前つる切り」を実践して、
ご家族やご友人に「今年のお芋、なんだかすごく甘いし、きれいだね!」と言わせてみませんか?
あなたの菜園ライフが、より豊かで実りあるものになることを心から応援しています!
