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ナスで葉っぱだけ大きくなる原因と対策!実がつかない悩みを解決

家庭菜園で愛情を込めてナスを育てていると、「葉っぱばかりが青々と茂って、肝心の実が大きくならない…」という、もどかしくも深刻な悩みに直面することがあります。

ナスで葉っぱだけ大きくなるという状況は、単なる生育のばらつきではなく、実は株が発している重要なSOSサインなのです。

この記事では、ナスで葉っぱだけ大きくなるのはなぜか、その根本的な原因を深く掘り下げて解説します。

そもそも葉っぱが大きくなる理由は何なのか、その背景には多くの場合、窒素過多で実が小さいままになるという栄養バランスの乱れが隠れています。

また、元気なく葉が下に垂れるのも見過ごせない危険信号であり、放置すると病気の原因にもなるので注意が必要です。時には、葉がボロボロなのは害虫のサインかもしれません。

このような問題を解決するため、この記事では、ナスが葉っぱだけ大きくなるときの正しい対処法を、初心者の方にも分かりやすく具体的にご紹介します。

大きくなりすぎた葉はどこを切るべきか、収穫量アップに直結する日当たりと風通しを良くする葉かき、そして剪定で風通しを改善するコツ、

さらに根本原因にアプローチする肥料の種類と与え方を見直そうという提案や、適切な水やりの頻度と量とは何か、といった栽培管理の基本を網羅的に解説。

この記事を最後まで読めば、ただ対策を知るだけでなく、ナスの生育サイクルそのものへの理解が深まり、まとめ:ナスが葉っぱだけ大きくなる悩みを解決し、ツヤツヤで美味しいナスをたくさん収穫するための確かな知識が身につきます。

この記事で分かること

  • ナスで葉っぱだけが茂る根本的な原因
  • 実を大きくするための葉や枝の管理方法
  • 適切な肥料や水やりの見直しポイント
  • 注意すべき病害虫のサインと具体的な対策

 

 

ナスで葉っぱだけ大きくなるのはなぜ?主な原因を解説

ナスで葉っぱだけ大きくなるのはなぜ?主な原因を解説
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  • そもそも葉っぱが大きくなる理由は何?
  • 窒素過多で実が小さいままになる
  • 元気なく葉が下に垂れるのも危険信号
  • 放置すると病気の原因にもなるので注意
  • 葉がボロボロなのは害虫のサインかも

 

 

そもそも葉っぱが大きくなる理由は何?

そもそも葉っぱが大きくなる理由は何?
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ナスの葉っぱだけが不自然に大きく育ってしまう現象には、いくつかの明確な原因が考えられます。

主な原因は、「窒素過多」「日照不足」「水のやりすぎ」という、栽培管理における3つの重要な要素が深く関係しています。

最も頻繁に見られる原因が、窒素(N)成分の過多です。窒素は、植物の細胞分裂を活発にし、葉や茎の成長を促すために不可欠な栄養素で、「葉肥え(はごえ)」とも呼ばれます。

光合成を行う葉緑素の主成分でもあるため、適量であれば青々とした健康な葉を育てます。

しかし、元肥や追肥で窒素成分の多い肥料(鶏糞や油かすなど)を与えすぎると、植物の成長バランスが崩れます。

株は花を咲かせ実をつける「生殖成長」よりも、自身の体を大きくする「栄養成長」を過剰に優先してしまい、結果として葉ばかりが巨大化し、実つきが悪くなるのです。

次に、日照不足も葉が大きくなる一因となり得ます。ナスは一日に最低でも6〜8時間以上の直射日光を必要とする、非常に光を好む野菜です。

日照時間が不足すると、株は光合成の効率を上げようと、必死に光を集めるために葉の面積を広げます。特に梅雨時期や、建物の陰になりやすい場所での栽培では注意が必要です。

そして、水のやりすぎも間接的に窒素過多を引き起こします。土が常に湿った状態にあると、根は水分を吸収する際に、土中の窒素成分も一緒にどんどん吸い上げてしまいます。

また、過湿は根の呼吸を妨げ、健全な根張りを阻害する原因にも。適度に土が乾く時間を作ることで、根が酸素を取り込み、水分と養分をバランス良く吸収できるようになります。


葉が茂りすぎる3大原因の詳細

  1. 窒素過多:肥料、特に「葉肥え」となる窒素成分の与えすぎが、葉の成長を過剰に促進している状態。
  2. 日照不足:光合成の効率を上げるため、株が光を求めて葉の面積を広げようと反応している状態。
  3. 水のやりすぎ:根からの窒素吸収が活発になりすぎ、過湿によって根の健全な発達も阻害されている状態。


窒素過多で実が小さいままになる

窒素過多で実が小さいままになる
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前述の通り、ナスの葉だけが大きくなる最大の原因は窒素過多ですが、これがなぜ直接的に「実が小さいまま」という結果につながるのでしょうか。そのメカニズムは、植物の生存戦略と深く関わっています。

植物には、自身の体を大きくして生存競争に勝つための「栄養成長」と、子孫を残すために花や実をつける「生殖成長」という2つのフェーズがあります。

窒素は主に前者の栄養成長を強力に促進する働きを持ちます。土の中に窒素が豊富にあると、ナスは「まだ成長できる環境だ。まずは体を大きくして、より多くの光を受けられるようにしよう」と判断します。

その結果、実を大きくしたり、新しい花を咲かせたりするためのエネルギーや栄養が、すべて葉や茎の成長に横取りされてしまうのです。

この状態は、通称「つるボケ」「木ボケ」と呼ばれ、多くの家庭菜園愛好家を悩ませます。窒素過多によるつるボケの具体的なサインには、以下のようなものがあります。


見逃さないで!窒素過多の危険サイン

  • 葉の色:健康的を通り越して、不自然に濃い深緑色になる。
  • 茎と節間:茎が必要以上に太く、節と節の間隔が間延びしたように長くなる。
  • 花の異常:花が咲いてもポロポロと落ちてしまう「落花」が頻発する。また、花の雌しべが雄しべよりも短い「短花柱花(たんかちゅうか)」が多くなるのも特徴です。これは、株に十分な栄養があるため受粉して着果する必要がないと判断しているサインで、着果率が著しく低下します。
  • 実の状態:運良く実がついても、なかなか大きくならず、皮が硬くてツヤのない「石ナス」と呼ばれる状態になりやすい。

美味しいナスを安定して収穫するためには、この栄養成長と生殖成長のバランスを、人間が適切にコントロールしてあげることが非常に重要になります。


元気なく葉が下に垂れるのも危険信号

元気なく葉が下に垂れるのも危険信号
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ナスの葉が力なく下に垂れているのを見ると、多くの人が「水切れだ!」と慌てて水を与えてしまいます。しかし、この症状は単純な水不足だけでなく、複数の異なる原因によって引き起こされるため、早合点は禁物です。原因を見誤った対処は、かえって株にダメージを与えかねません。

葉が垂れる主な原因は、前述の通り「水不足」「根腐れ(水のやりすぎ)」「栄養過多」の3つ。これらを的確に見分けることが肝心です。

まず、最も分かりやすいのが水不足です。特に真夏の炎天下では、ナスは葉からの蒸散が激しくなり、一時的に吸水が追いつかなくなって葉がしおれることがあります。これが日中の時間帯だけで、夕方涼しくなると元に戻る場合は、生理的な現象なので過度に心配する必要はありません。しかし、朝や夕方になっても葉がぐったりしたままで、土を触ってみて乾燥している場合は、本格的な水切れです。

次に注意したいのが、正反対の原因である水のやりすぎによる「根腐れ」です。

土が常にジメジメと湿った状態が続くと、土中の酸素が不足し、根が呼吸困難に陥って腐り始めます。

傷んだ根は水分を正常に吸収できなくなるため、結果的に水不足と同じように葉が垂れてしまうのです。

この場合は、土が湿っているにもかかわらず葉が垂れ、しばしば下葉が黄色く変色するという特徴があります。

最後に、栄養過多、特に窒素過多によって葉が異常に大きく重くなった結果、物理的にその重みに耐えきれずに垂れ下がってしまうケースもあります。

この場合は、葉の色が濃く、株全体が徒長しているなど、他の窒素過多のサインと合わせて判断できます。


【要チェック】葉が垂れる原因別サインと対策

原因具体的なサイン観察ポイント基本的な対策
水不足葉全体がしおれ、ハリがない。土がカラカラに乾いている。朝夕でも葉がぐったりしているか。鉢を持ち上げてみて軽いか。鉢底から水が流れ出るまで、株元にたっぷりと水を与える。
根腐れ土は湿っているのに、下葉から黄色っぽく変色しながら垂れる。土の表面が常に湿っていないか。鉢の底から異臭がしないか。水やりを完全に中断し、土の表面が乾くまで待つ。鉢植えの場合は、より水はけの良い用土への植え替えを検討する。
栄養過多葉が濃い緑色で異常に大きく、自重で垂れ下がっている。茎も太い。他の窒素過多のサイン(落花、短花柱花など)が見られないか。窒素系の追肥を一時中断し、リン酸やカリウムが主体の肥料に切り替える。


放置すると病気の原因にもなるので注意

放置すると病気の原因にもなるので注意
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葉が過剰に茂った状態を「元気で良いことだ」と勘違いして放置してしまうと、

単に実がつかないだけでなく、深刻な病気を誘発する大きなリスクとなります。密集した葉は、株全体の風通しを著しく悪化させ、病原菌が繁殖するための理想的な環境を作り出してしまうのです。

特に、湿度が高い環境を好む糸状菌(カビ)が原因となる病気が発生しやすくなります。雨が降った後や、朝露が降りた際に、葉の間に溜まった水分がなかなか乾かず、病原菌の温床となるのです。

ナス栽培で特に注意すべき代表的な病気には、以下のようなものがあります。


ナスがかかりやすい主な病気

うどんこ病 葉の表面に、うどん粉を振りかけたような白いカビが点々と発生します。

初期段階では見た目の問題だけですが、進行すると葉全体が覆われ、光合成が著しく阻害されて生育不良に陥ります。

乾燥していても発生しやすいのが特徴です。 灰色かび病 低温多湿の時期(梅雨や秋雨)に発生しやすく、花や実、茎、葉など、あらゆる部分に灰色のカビがびっしりと生えます。

特に、咲き終わった花がらが葉や実に付着した部分から感染が広がることが多いです。放置すると株全体が腐敗し、枯れてしまうこともあります。

褐色円星病(かっしょくえんせいびょう) 葉に淡い褐色の円い斑点ができ、次第に拡大していく病気です。

病斑の上には同心円状の輪紋が見えるのが特徴で、多発すると葉が枯れ落ち、株を著しく弱らせます。

最大の防御は「予防」にあり

これらの病気は、一度発生・蔓延してしまうと、市販の薬剤を使用しても完全に封じ込めるのは困難な場合があります。

だからこそ、最も効果的で重要な対策は、日頃から葉かきや剪定を適切に行い、株の内部まで風が通り抜ける環境を維持することで、病原菌がそもそも繁殖できない状態を保つ「予防」なのです。

葉が混み合ってきたと感じたら、それは病気のリスクが高まっているサイン。病気が発生してから慌てるのではなく、常に先手を打って管理することが、健康なナスを育てる上での秘訣です。


葉がボロボロなのは害虫のサインかも

葉がボロボロなのは害虫のサインかも
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葉に穴が開いていたり、葉脈だけを残してレース状に食べられていたり、葉の表面が白っぽくカスリ状になっていたりする場合、それは害虫による食害の可能性が非常に高いです。

葉が茂って薄暗い場所が増えると、害虫にとっては格好の隠れ家となり、発見が遅れて被害が拡大しやすくなります。

ナスを加害する害虫は数多くいますが、特に注意すべき代表的な害虫が「テントウムシダマシ(ニジュウヤホシテントウ)」です。

益虫として知られるナナホシテントウと姿が似ているため間違いやすいですが、テントウムシダマシはナス科の植物を好んで食害する厄介な害虫です。

成虫も幼虫も、葉の裏側から表皮を残して組織を削るように食べるため、葉が網目状やレース状になる特徴的な食害痕を残します。実の表面をなめるように食害することもあります。

「テントウムシダマシを見分けるコツは、体の光沢です!益虫のナナホシテントウはボディがツヤツヤしていますが、害虫のテントウムシダマシは表面に細かい毛が密生しているため、ベルベットのような質感でツヤがありません。見つけ次第、すぐに捕殺しましょう!」

テントウムシダマシの生態や対策については、農林水産省のウェブサイトでも詳しく解説されており、その被害の大きさがうかがえます。

その他にも、以下のような害虫に注意が必要です。

  • ヨトウムシ類:昼間は株元の土の中に隠れ、夜間に活動して葉や若い実を食べる「夜盗虫」。被害は大きいのに姿が見えず、厄介な害虫です。
  • アザミウマ類(ミナミキイロアザミウマなど):非常に小さく肉眼では見つけにくいですが、葉の汁を吸うため、被害を受けた部分は白っぽく変色します。
  • アブラムシ類:新芽や若い葉の裏にびっしりと群生し、汁を吸って株を弱らせるだけでなく、ウイル病を媒介することもあります。

これらの害虫対策の基本は、定期的な観察による早期発見・早期駆除です。特に葉の裏側は害虫の住処になりやすいため、葉かきや収穫の際に、こまめにチェックする習慣をつけましょう。


ナスが葉っぱだけ大きくなるときの正しい対処法

ナスが葉っぱだけ大きくなるときの正しい対処法
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  • 大きくなりすぎた葉はどこを切るべき?
  • 日当たりと風通しを良くする葉かき
  • 肥料の種類と与え方を見直そう
  • 適切な水やりの頻度と量とは
  • 剪定で風通しを改善するコツ

 

 

大きくなりすぎた葉はどこを切るべき?

大きくなりすぎた葉はどこを切るべき?
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葉が茂りすぎ、株が「つるボケ」状態に陥ってしまった場合、最も直接的で効果的な対策は、不要な葉を的確に取り除く「葉かき(摘葉)」です。

しかし、光合成を行う重要な器官である葉を、やみくもに切ってしまうと、かえって株に深刻なダメージを与え、生育を停滞させてしまう可能性があります。

切るべき葉を正しく見極め、適切な量を取り除くことが重要です。

優先的に切るべきなのは、光合成の効率が悪い葉や、病害虫の原因となりやすい葉です。

具体的には、以下の3種類の葉を中心に整理していきましょう。


優先的に切るべき葉の3つのポイント

  1. 株元の古い葉・黄化した葉:これらは光合成能力が低下しているだけでなく、地面に近く、雨水の跳ね返りなどによって病原菌が付着しやすい場所です。病気の感染源となるリスクが高いため、最優先で除去します。

  2. 内向きに生えている葉・重なっている葉:株の内側に向かって伸びている葉や、他の葉と重なって全く光が当たらない葉は、光合成に貢献できない「居候」のような存在です。これらは栄養を消費するだけな上、風通しを悪化させる最大の原因なので、付け根から切り取ります。

  3. 実のすぐ上下の葉:ナスの果実が美しい紫色に色づくためには、日光に当たることが不可欠です。実のすぐ上や下にある葉が大きな影を作っている場合は、その葉を取り除き、果実にしっかりと光が当たるように調整します。


一度に切りすぎは厳禁!

葉かきを行う際、最も注意すべきは一度に大量の葉を切りすぎないことです。

一気に葉を減らしすぎると、株全体の光合成能力が急激に低下し、株が大きなストレスを感じて弱ってしまいます。

全体の葉の量の2〜3割程度を目安に、数日に分けて少しずつ作業を進めるのが安全です。

作業には、他の株への病気感染を防ぐため、アルコールなどで消毒した清潔なハサミやカッターを使用しましょう。


日当たりと風通しを良くする葉かき

「葉かき」は、前述した不要な葉を取り除く作業の総称であり、ナスの栽培管理において収穫量を左右する非常に重要な工程です。

この作業を定期的かつ適切に行うことで、株の日当たりと風通しを劇的に改善し、ナスが健全に生育するための最適な環境を維持できます。

葉かきの主な目的は、単に葉の量を減らすことではありません。

その本質は、株全体のエネルギー効率を最大化し、病害虫のリスクを最小化することにあります。

光が当たらない下葉や内側の葉は、光合成で生み出すエネルギーよりも、呼吸などで消費するエネルギーの方が多くなってしまいます。

こうした「赤字」の葉を取り除くことで、栄養を本当に必要としている成長点や果実へ集中させることができるのです。

さらに、風通しが良くなることで、葉の表面が濡れてもすぐに乾くようになり、カビが原因となる病気の発生を物理的に抑制できます。

また、害虫が隠れる場所が減り、産み付けられた卵なども発見しやすくなるため、被害の早期発見・早期対処にも繋がります。


葉かきのベストタイミングとコツ

葉かきは、植物の活動が活発で、切り口がすぐに乾きやすい晴れた日の午前中に行うのが理想的です。

雨の日や夕方の作業は、切り口が長時間湿ったままになり、病原菌が侵入するリスクを高めるため避けましょう。

収穫作業とセットで行う習慣をつけると、管理が楽になり、作業のし忘れも防げます。

葉かきは、単なる「間引き」作業ではなく、株の健康状態を隅々までチェックする絶好の機会でもあります。

葉の裏をめくって害虫がいないか、茎に変色がないかなど、植物と対話するように観察しながら行うことが、栽培成功への近道です。


肥料の種類と与え方を見直そう

肥料の種類と与え方を見直そう
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葉ばかりが茂る「つるボケ」の症状が見られる場合、その根本原因である栄養バランスの乱れを是正する必要があります。

対策の鍵は、肥料の与え方、特にその種類を戦略的に見直すことです。

結論から言うと、葉の成長を促進する窒素(N)成分が多い肥料の施用を直ちに中止し、花や実の成長を助けるリン酸(P)や、根の成長と株全体の健康を支えるカリウム(K)を多く含む肥料に切り替えるのが最も効果的です。

肥料の袋には、多くの場合「N-P-K = 8-8-8」のように、これら肥料の三要素の成分比率が記載されています。

これまで「8-8-8」のようなバランス型の化成肥料を追肥として使っていたなら、例えば「0-10-10」や「3-10-10」のような、窒素を含まないか、あるいは極端に少ないリン酸・カリウム主体の肥料を選びましょう。

これにより、株の成長モードを葉や茎を伸ばす「栄養成長」から、花を咲かせ実を充実させる「生殖成長」へとスムーズに移行させるのを助けます。肥料の三要素の働きについては、JA全農の資料でも分かりやすく解説されています。


【状況別】肥料の種類と特徴

肥料の種類特徴「つるボケ」時の使い方
化成肥料成分が調整されており、即効性がある。与えすぎると濃度障害を起こしやすい。N-P-K比率を確認し、リン酸(P)・カリウム(K)が多いタイプを選ぶ。規定量を守り、株元から10-15cm離して施す。
有機肥料効果がゆっくりと現れ、土壌改良効果も期待できる。成分の効き方が天候に左右されやすい。窒素分が多い鶏糞や油かすは中止。実つきを良くする骨粉(リン酸)や、根を強くする草木灰(カリウム)を活用する。
液体肥料水で希釈して使用。即効性が非常に高く、効果が早く現れるが、持続性は短い。栄養状態を素早く改善したい時に有効。リン酸系の液肥を規定倍率に薄め、水やり代わりに与えたり、葉面散布したりする。

追肥を再開する際は、決して一度に大量に与えず、まず規定量の半分程度から始め、株の葉色や花のつき具合といった反応を見ながら、1〜2週間ごとに少量ずつ与えることが失敗しない重要なコツです。


適切な水やりの頻度と量とは

適切な水やりの頻度と量とは
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ナスの栽培において、水やりは生育を左右する最も重要な管理作業の一つです。

ナスの果実はその約93%が水分で構成されており、「水で育つ」と表現されるほど多くの水を必要とします。

しかし、ただ闇雲に水を与えれば良いというわけではなく、その頻度と量の見極めが肝心です。間違った水やりは、根腐れや生育不良の直接的な原因となります。

水やりの絶対的な基本原則は、「土の表面が乾いたら、鉢底やプランターの底から水が流れ出るまでたっぷりと与える」ことです。

この「乾いたら、たっぷりと」という水やりのメリハリが、酸素を好むナスの根を健康に育てる上で最も重要なポイントになります。

常に土が湿っている状態は、土中の酸素が欠乏し、根が呼吸できなくなるため根腐れを引き起こします。

一度土の表面を乾かすことで、土の粒子間に新しい空気が入り込み、根の健全な活動を促すのです。土が乾いているかどうかは、表面の色を見るだけでなく、指で少し掘ってみて中の湿り気を確認するのが確実です。

「特に夏場の水やりは時間帯も重要です。日中の暑い時間帯に水やりをすると、鉢の中の水温が上昇してお湯のようになり、根を傷めてしまう『根ぐされ』の原因に。水やりは、気温が比較的低い朝方か、夕方涼しくなってから行うのが鉄則ですよ!」


栽培環境別の水やり目安

  • プランター・鉢植え:土の量が限られ乾燥しやすいため、土の状態を毎日チェックする必要があります。特に夏場は、朝に与えても夕方には乾いてしまうことが多く、朝夕の2回の水やりが必要になることも珍しくありません。
  • 地植え:根が広範囲に張れるため、プランターほど頻繁な水やりは不要です。基本的には降雨に任せ、何日も雨が降らずに土がカラカラに乾燥している場合に、株元にたっぷりと水を与えます。

また、土の乾燥を防ぎ、地温の上昇を抑えるために、株元に敷き藁や刈草、ウッドチップなどでマルチングを施すのも非常に効果的な方法です。


剪定で風通しを改善するコツ

剪定で風通しを改善するコツ
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葉かきが「葉」を対象とした管理であるのに対し、「枝」を対象として株全体の骨格を整える作業が「剪定(せんてい)」です。

長期的に日当たりと風通しの良い状態を維持し、栄養を効率的に実に集中させるために、この剪定は不可欠な作業となります。

家庭菜園でのナスの剪定は、「3本仕立て」が最もポピュラーで管理しやすい方法です。

これは、一番最初に咲く花(一番果)のすぐ下から出ている、勢いの良いわき芽を2本選び、もともとの主枝と合わせて合計3本の太い枝を主軸として育てる方法です。作業は以下のステップで行います。

  1. 一番果が咲いたら、その花を確認します。
  2. 花のすぐ下から出ているわき芽と、そのさらに下から出ているわき芽のうち、最も元気で太いものを2本選びます。(これが側枝になります)
  3. 選んだ2本の側枝よりも下から出ているわき芽は、小さいうちにすべて手で摘み取ってしまいます。

こうして3本の主軸が決まったら、支柱を立ててそれぞれの枝が重ならないように、放射状に広がるように誘引していきます。


「3本仕立て」がもたらす絶大なメリット

  • 品質向上:栄養が限られた3本の枝に集中するため、一つ一つの実が大きく、色つやも良い高品質なナスが収穫できます。
  • 病害虫抑制:枝数が整理され、株内部への日当たりと風通しが劇的に良くなるため、病害虫の発生を根本から抑制します。
  • 管理の効率化:株の構造がシンプルになるため、葉かきや収穫、農薬散布などの日常管理が格段に楽になります。

3本仕立てにした後も、それぞれの枝から新しいわき芽が伸びてきます。

これを放置すると再び枝が混み合ってしまうため、「切り戻し剪定」を行います。

基本は、「枝の先端についた実を一つ収穫したら、その枝を葉を1〜2枚残した位置で切り戻す」というルールの繰り返しです。

これにより、常に新しい若い枝が更新され、株が疲れることなく、秋まで長く収穫を楽しむことができます。


まとめ:ナスが葉っぱだけ大きくなる悩みを解決

この記事では、ナスの葉だけが大きく育ってしまい、実がつかないという家庭菜園でよくある悩みについて、その根本的な原因から具体的な対処法までを詳しく解説しました。最後に、美味しいナスをたくさん収穫するための重要なポイントをリストで振り返ります。

記事のまとめ

  • ナスの葉が大きくなる最大の原因は肥料の窒素過多
  • 日照不足や水のやりすぎも葉が茂る一因となる
  • 葉ばかり茂る「つるボケ」状態は実が小さくなる根本原因
  • 葉の色が不自然に濃い緑色なのは窒素過多の典型的なサイン
  • 葉が垂れるのは水不足だけでなく根腐れや栄養過多も疑う
  • 密集した葉は風通しを悪化させ病気や害虫の温床になる
  • 葉がレース状にボロボロならテントウムシダマシの食害を疑う
  • 対策の基本は不要な葉を取り除く「葉かき」
  • 株元の古い葉や内向きの葉を優先的に切る
  • 葉かきは日当たりと風通しを良くし病害虫を予防する
  • 窒素肥料を控えリン酸やカリウムを多く含む肥料に切り替える
  • 肥料袋のN-P-K比率を確認する習慣をつける
  • 水やりは「土の表面が乾いたら、底から流れるまでたっぷりと」が鉄則
  • 剪定は「3本仕立て」で株の骨格を作り栄養を集中させる
  • 実を収穫するたびに枝を切り戻し株の若返りを図る
  • 作業は晴れた日の午前中に行い切り口を早く乾かす
  • 日頃から葉の裏まで観察し病害虫の早期発見に努める

これらのポイントを一つ一つ実践し、日々のナスの様子を愛情を持って観察しながら適切な管理を行うことで、葉の茂りすぎは必ず改善できます。

時には失敗することもあるかもしれませんが、それも家庭菜園の醍醐味です。

この記事で得た知識を元に、ぜひあなただけの美味しいナスをたくさん収穫してください。

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