失敗しないじゃがいもの土作り!初心者でも簡単な成功への3ステップ

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失敗しない!じゃがいもの土作り時期と手順を徹底解説【初心者も出来る】

畑で育てたいけど、畑が無い方はこちらで【シェア畑】

これからじゃがいも栽培を始めようと考えている皆さん、土作りの準備は進んでいますか?

「じゃがいも 土作り 時期」と検索された方は、

きっと「いつから準備を始めればいいの?」「石灰や堆肥を入れる正しい順番はあるのかな?」

といった疑問をお持ちのことでしょう。

じゃがいもは土の中で育つ野菜ですから、ふかふかの土壌環境や適切な酸度調整が収穫量を大きく左右します。

特に春植えや秋植えのシーズン直前になると、苦土石灰や化成肥料をどのタイミングで撒くべきか迷ってしまうこともありますよね。

このプランターでも畑でも共通する土作りの基礎を知っておくことは、

そうか病などの病気を防ぎ、ホクホクの美味しいじゃがいもを育てるための第一歩です。

この記事では、初心者の方でも迷わず実践できる土作りのスケジュールと、

失敗しない資材の選び方について、私自身の経験も交えながら分かりやすくご紹介していきます。

この記事で分かること

  • 植え付けの1ヶ月前から始める段階的な土作りのスケジュールが分かります
  • そうか病を防ぐための正しい石灰の使い方とpH管理が理解できます
  • 牛糞堆肥や米ぬかなど、じゃがいもと相性の良い資材の選び方が分かります
  • 時間がなくて植え付け直前になってしまった場合の緊急対処法が分かります

 

失敗しないじゃがいもの土作り時期と手順

失敗しないじゃがいもの土作り!初心者でも簡単な成功への3ステップ

じゃがいも栽培において、土作りは単なる力仕事ではなく、美味しいお芋を育てるための環境制御そのものです。

植え付けの直前に慌てて資材を混ぜ込むのではなく、

土の中でしっかりと馴染ませるための「待つ時間」も大切な工程の一部なんですね。

ここでは、理想的な土作りのスケジュールと、それぞれの時期に行うべき具体的な作業手順について詳しく解説していきます。


植え付けまでの土作りの順番と期間

じゃがいも土作りの3ステップ:1ヶ月前のpHチェックから1週間前の施肥まで

美味しいじゃがいもを収穫するためには、植え付け予定日の約1ヶ月前から準備をスタートするのが理想的です。

土作りには大きく分けて3つのステップがあり、

それぞれに役割と必要な期間があります。

これは料理で例えるなら「下ごしらえ」の時間です。

いきなり材料を鍋に放り込むのではなく、しっかり味を染み込ませたり、

灰汁(あく)を抜いたりする時間が土作りにも必要なんですね。

まず第1段階は、土の健康診断と物理的な改善です。

硬くなった土をほぐし、酸度をチェックすることから始めます。

これは人間ドックのようなもので、現状を知らずに処方箋(石灰や肥料)を出すことはできません。

第2段階は、微生物の働きを活発にするための有機物の投入です。

ここで土壌菌たちのエサとなる堆肥を入れ、彼らが住みやすい環境を整えます。

そして最後の第3段階で、植物の直接的な栄養となる肥料を施します。

なぜこのように期間を空ける必要があるのでしょうか?

最大の理由は、土に入れた資材が化学反応を起こして安定するまでに時間がかかるからです。

例えば、石灰(アルカリ性)と窒素肥料(アンモニウム態窒素)が土の中で同時に混ざると、

化学反応を起こしてアンモニアガスが発生してしまいます。

このガスは植物の根にとって猛毒で、ガス障害を引き起こす原因になります。

また、未熟な有機物が土の中で急激に分解されると、

発酵熱が出て種イモが煮えてしまったり、酸欠状態になったりすることもあります。

こうした「見えない化学反応」を落ち着かせ、土壌微生物のバランス(フローラ)を安定させるために、

最低でも2週間から1ヶ月のリードタイムが必要になるのです。

焦らず順番を守ることが、失敗を防ぐ一番の近道かなと思います。

土作りの基本スケジュール(春作の例)

  • 1ヶ月前(2月上旬):土壌診断(pH測定)と深耕(寒起こし)
  • 2週間前(2月中旬):完熟堆肥の投入と、必要な場合のみ石灰による酸度調整
  • 1週間前(2月下旬):元肥の投入と最終的な耕運、畝立て


2月に行う寒起こしとpH測定の重要性

寒起こし(天地返し)の深さは30cmが目安

春作の場合、まだ寒い1月下旬から2月上旬にかけてが土作りスタートの合図です。

この時期に行いたいのが「寒起こし」と「pH測定」ですね。

寒くて畑に出るのが億劫になる時期ですが、このひと手間が春以降の生育を劇的に変えます。

まず「寒起こし」についてですが、

これはスコップやクワを使って土を深さ25cm〜30cmほど掘り返し、あえて寒気に晒す作業のことです。

「天地返し」とも呼ばれますね。じゃがいもは地下深くまで根を張り、

ストロンと呼ばれる地下茎を伸ばしてイモを作ります。

特に収穫される塊茎(イモ)は、土からの圧力を受けると肥大が悪くなったり、形がいびつになったりします。

そのため、深くまでふかふかに耕しておくことで、イモが伸び伸びと育つスペースを確保できるんです。

正直なところ、深さ30cmまで手作業で掘り返すのはかなりの重労働ですよね。

特に粘土質の畑などでは、機械の力で空気を含ませるように耕すと、驚くほど土がフカフカになります。

家庭菜園用のコンパクトなモデルなら、女性でも扱いやすいですよ。

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※硬い土でもパワフルに耕せて、収納場所も取らないので週末ファーマーには最適です。

また、寒起こしにはもっと重要な役割があります。

それは「天然の消毒」です。土の塊を掘り起こして厳寒期の冷たい風や霜に晒すことで、

土の中に潜んで越冬している害虫(コガネムシの幼虫やヨトウムシのサナギなど)や、

病原菌を凍死させたり乾燥死させたりする効果が期待できます。

さらに、土中の水分が凍結と解凍を繰り返すことで、土の粒子が細かく砕け、

団粒構造が形成されやすくなるという物理的なメリットもあります。

そして、もう一つ絶対に欠かせないのがpH(土壌酸度)の測定です。

日本の土は雨が多い影響でカルシウムなどが流亡しやすく、自然と酸性になりがちです。

しかし、「酸性だから石灰を撒けばいい」と安易に考えるのは危険です。

前作で石灰を多用していたり、雨の当たらないハウス栽培だったりすると、

意外にもpHが高い(アルカリ性に傾いている)場合があるからです。

じゃがいもは、pH5.0〜6.0程度の弱酸性から酸性の土壌を好みます。

もし現状のpHが6.0以上あるのに、習慣的に石灰を撒いてしまったらどうなるでしょうか?

土はさらにアルカリ化し、後述する恐ろしい「そうか病」の発生リスクが跳ね上がります。

私の経験上、簡易的な酸度計ではなく、デジタルで数値が出るタイプが一番失敗が少ないです。

土に挿すだけで瞬時にpHがわかるので、シーズンごとの必需品になっています。

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※これ一本でpHだけでなく、地温や水分量まで測れるので、じゃがいもの植え付け適期を見極めるのに非常に重宝します。


植え付け2週間前の堆肥投入と耕運

植え付けの2週間前になったら、土壌に有機物を補給してあげましょう。

ここで活躍するのが「完熟堆肥」です。

堆肥は土をふかふかにする団粒構造を作るために欠かせない資材ですが、必ず「完熟」と書かれたものを選んでください。

なぜ「完熟」にこだわる必要があるのでしょうか。

それは、未熟な有機物が土の中で引き起こすトラブルを避けるためです。

発酵が不十分な堆肥を土に混ぜると、土の中で微生物による急激な分解が始まります。

この時、微生物は自身の活動エネルギーとして土の中の窒素を大量に消費します。

これを「窒素飢餓」と呼び、作物が使うはずだった窒素まで奪われてしまい、葉色が薄くなるなどの生育不良を招きます。

さらに、未熟堆肥の分解過程では、二酸化炭素や有機酸、アンモニアガスなどが発生します。

また、発酵熱によって地温が異常に上昇することもあります。

これらが植え付け直後のデリケートな種イモや根に直接触れると、

腐敗や萌芽障害(芽が出ないこと)の原因になります。

特にじゃがいもの種イモは水分が多く腐りやすいため、このガスや熱の影響を非常に受けやすいのです。

ホームセンターで安価に売られている堆肥の中には、

たまに発酵が未熟で臭いが強いものも混ざっています。

私は少し値が張っても、完全に発酵が終わっていてサラサラした手触りのブランド堆肥を選ぶようにしています。

結果的にその方が失敗がなく、コスパが良いと感じています。

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また、この時期は「タネバエ」という害虫にも注意が必要です。

タネバエは未熟な有機物の腐敗臭に誘引されて卵を産み付けます。

孵化した幼虫は種イモの中に食い入り、食害して腐らせてしまいます。

完熟堆肥を使用し、さらに土に混ぜ込んでから2週間ほど「寝かせる」期間を設けることで、

ガスを抜き、微生物相を安定させ、タネバエの誘引を防ぐことができます。

このタイミングで、もしpHが4.5未満などの極端な酸性であれば、

少量の苦土石灰を投入して調整します。

石灰と堆肥を同時に施用する場合は、できるだけ堆肥を先に馴染ませるか、反応の穏やかな資材を選ぶのがコツです。


植え付け直前でも間に合う土作り

「仕事が忙しくて準備ができなかった!」「週末しか畑に行けないから、全部1日でやりたい」

という方もいらっしゃると思います。

本来は期間を空けるのがベストですが、工夫次第で当日の土作りでも栽培は可能です。

週末農業で時間がない中、この「同日施工」で何度もじゃがいもを収穫してきました。

時間がない場合のポイントは、「ガス障害」と「肥料焼け」のリスクを最小限に抑えることです。

まず、使用する堆肥は、ガスが出にくく物理性の改善効果が高い「完熟牛糞堆肥」や「バーク堆肥」を選びましょう。

アンモニアガスが発生しやすい「鶏糞」や、反応が急激な「消石灰」の使用は厳禁です。

そして、最も重要なテクニックが「サンドイッチ農法」です。

これは肥料と種イモが土の中で直接触れないように、物理的な壁を作る方法です。


サンドイッチ農法の具体的な手順

サンドイッチ農法の図解:肥料と種イモの間に土の壁を作って肥料焼けを防ぐ

  1. まず、通常よりも少し深め(深さ20cm〜25cm程度)に植え付け溝を掘ります。
  2. 溝の底に、元肥となる化成肥料や堆肥を置きます。
  3. その肥料の上に、掘り上げた土を5cm〜8cmほど戻し、肥料を隠してしまいます。これが「土の壁」になります。
  4. その土の壁の上に、種イモを置いていきます。
  5. 最後に、種イモの上から覆土(土を被せる)をして完了です。

この方法であれば、植え付け直後は種イモと肥料が離れているため

、肥料焼けやガスによる腐敗を防ぐことができます。

そして、じゃがいもが根を伸ばし始める頃には、下の肥料層に根が届き、

タイムラグなしで養分吸収が始まるというわけです。

ただし、この方法はあくまで緊急措置です。

基本は早めの準備であることを忘れないでくださいね。

直前に行う場合は、土壌微生物の活動を急激に高めるような「米ぬか」の生散布も避けた方が無難です。

リスクの低い、安定した資材(緩効性肥料など)を選ぶのが成功の鍵です。


春作と秋作で異なる準備のタイミング

じゃがいも栽培には「春作」と「秋作」があり、

気候条件が大きく異なるため、土作りのリミットも変わってきます。

春作(一般地)の場合、2月下旬から3月中旬が植え付け適期です。

逆算すると、1月下旬から土作りを始めることになります。

この時期は一年で最も寒く、土の中の微生物の活動も非常に鈍くなっています。

そのため、堆肥を入れても分解されるまでに暖かい時期よりも時間がかかります。

通常よりも長めの「馴染ませ期間」を想定して、余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。

また、遅霜の心配がある地域では、土作りの段階で黒マルチを張って地温を上げておく工夫も有効です。

一方、秋作(暖地)の場合は、8月下旬から9月上旬が植え付け適期です。

つまり、真夏の8月上旬から土作りを始めなければなりません。

この時期は気温が非常に高く、堆肥の分解スピードも速いです。

しかし、秋作最大の敵は「高温による種イモの腐敗」です。

植え付け直後の残暑で地温が30℃を超えると、種イモが煮えて腐ってしまうリスクが極めて高くなります。

そのため秋作の土作りでは、水はけを徹底的に良くするために、春作よりも高い「高畝(たかうね)」を作ることが重要です。

また、地温を下げるために、黒マルチではなく「白黒マルチ(表面が白、裏面が黒)」や、

敷きわらを活用する準備も必要になります。

秋作の種イモは切断すると腐敗菌が入りやすいため、小ぶりのイモを丸ごと植えるのが基本ですが、

それを迎え入れる土壌も、極力病原菌が少なく、通気性の良い環境に仕上げておく必要があります。


じゃがいもの土作り時期に最適な肥料と石灰

「土作り」と一言で言っても、どんな資材を入れるかで結果は大きく変わります。

特にじゃがいもは、他の野菜とは少し違った「好み」を持つ野菜です。

良かれと思って入れた石灰が原因で病気になったり、肥料の種類によって味が変わったりすることもあります。

ここでは、じゃがいもに最適な資材の選び方と使い方のコツを深掘りしていきましょう。


苦土石灰の量とそうか病のリスク

じゃがいもの最適酸度(pH)とそうか病のリスク:pH6.0以上なら石灰は不要

じゃがいも栽培で最も注意が必要であり、かつ多くの失敗の原因となっているのが「そうか病」です。

これは、イモの表面にコルク状のかさぶた(瘡痂)のような凸凹ができる病気で、

皮を厚く剥けば食べられますが、見た目が著しく悪くなり、貯蔵性も落ちてしまいます。

実はこのそうか病を引き起こす「放線菌(Streptomyces scabies)」は、

土がアルカリ性に傾くと活発に増殖するという性質を持っています。

一般的な野菜(トマトやキュウリなど)はpH6.0〜6.5程度の中性に近い土壌を好むため、

「野菜作りにはとりあえず苦土石灰」という指導がなされることが多いです。

しかし、これをじゃがいもに当てはめてしまうと致命的です。

じゃがいもは、pH5.0〜5.5、高くても6.0までの弱酸性から酸性の土壌を好みます。

このpH帯であれば、そうか病菌の活動は抑制され、かつじゃがいもの生育には支障がありません。

もし土壌診断でpHが6.0以上ある場合は、石灰を入れる必要は全くありません。

「石灰を入れないこと」が、立派な土作りになるのです。

逆に、pHが4.5を下回るような強酸性の場合のみ、矯正が必要です。

強酸性のままでは、根が傷んだり、微量要素(マグネシウムなど)の吸収が悪くなったりします。

この場合でも、1平方メートルあたり50g〜100g程度の少量の苦土石灰を施し、

pH5.0〜5.5付近をターゲットに慎重に調整します。

安全策を取るなら、アルカリ分が穏やかでミネラルも豊富な「有機石灰(カキ殻石灰)」を使うのも一つの手です。

▶︎ 失敗が少ない「有機石灰(カキ殻石灰)」
※効き目がゆっくりなので、pHを急激に上げすぎてしまうリスクを減らせます。


完熟牛糞堆肥と鶏糞の正しい使い分け

牛糞堆肥と鶏糞の違い:じゃがいもには完熟牛糞堆肥がおすすめ、鶏糞は石灰過多に注意

有機物を補給する堆肥にも、種類によって化学的な性質が大きく異なります。

じゃがいもの土作りに最もおすすめなのは「完熟牛糞堆肥」です。

牛糞堆肥は、牛の糞とおがくずや藁などを混ぜて発酵させたもので、繊維質(リグニン)を多く含んでいます。

この繊維質が土の中でゆっくりと分解される過程で、土の粒子をくっつけて団粒構造を作り出し、

ふかふかで通気性と保水性のバランスが良い土にしてくれます。

肥料成分(窒素・リン酸・カリ)は比較的少ないため、

元肥としての肥料効果は期待できませんが、

その分「肥料あたり」の心配が少なく、土壌改良材として大量に投入できるのがメリットです。

一方で注意したいのが「鶏糞堆肥」です。鶏糞は肥料分が非常に豊富で、

即効性がある優秀な有機肥料ですが、実はカルシウム(石灰分)を非常に多く含んでいるという特徴があります。

鶏は卵の殻を作るためにカルシウムを多く摂取し、それが糞に排泄されるためです。

知らずに鶏糞を大量に使うと、肥料をあげたつもりが、結果的に強力に土のpHを上げてしまい、

そうか病を招く原因になりかねません。

また、鶏糞は分解が早くアンモニアガスも出やすいため、じゃがいも栽培においてはリスクが高い資材と言えます。

酸性土壌の改良と施肥を同時に行いたい場合以外は、使用を控えるか、

量をかなり控えめにするのが無難かなと思います。

もし堆肥選びに迷ったら、物理性改善効果が高くpHへの影響が穏やかな「バーク堆肥(樹皮堆肥)」もおすすめです。

堆肥の種類主な特徴じゃがいもへの影響・相性
牛糞堆肥繊維質が多く土を柔らかくする。肥料分は少なめ。◎(最適)
土壌改良効果が高く、pHへの影響も少ない。
鶏糞堆肥肥料分(N-P-K)が豊富で即効性がある。石灰分が多い。△(注意)
pHを上昇させ、そうか病のリスクを高める。ガス障害も出やすい。
バーク堆肥樹皮を発酵させたもの。分解が遅く効果が長持ち。○(良好)
物理性改善に優れる。肥料分はほぼない。


米ぬかによる土壌環境の改善効果

最近、家庭菜園愛好家の間で注目されているのが「米ぬか」を使った土作りです。

米ぬかはコイン精米所などで無料で手に入ることも多い身近な資材ですが、

実はそうか病対策にすごい効果を発揮するんです。

そのメカニズムの一つが「還元消毒」です。

米ぬかのような分解されやすい有機物を土に大量に混ぜ込み、

水をたっぷりやって空気を遮断(マルチなどで密閉)すると、土の中の微生物が爆発的に増殖します。

微生物たちは活動するために土の中の酸素を大量に消費するため、

土壌が一時的に「酸欠状態(還元状態)」になります。

そうか病菌(放線菌)は酸素を好む好気性菌なので、この酸欠状態に耐えられず死滅したり、活性が著しく低下したりします。

もう一つの効果は「拮抗作用(アンタゴニズム)」です。

米ぬかをエサにして、乳酸菌や酵母菌といった善玉菌が増殖します。

これらの菌が土壌内で優勢になると、生存競争に負けたそうか病菌の密度が自然と下がっていきます。

私はこの拮抗作用をより確実に引き出すために、米ぬかと一緒に「微生物資材」を投入することがあります。

特に「カルスNC-R」という資材は、米ぬかと一緒に混ぜることで生の有機物を素早く分解し、

土壌の良い菌を一気に増やしてくれます。

ガス障害のリスクも減らせるので、土作りの時短テクニックとしても愛用者が多いですね。

▶︎ 土壌改良の救世主!「カルスNC-R」
※これを使うと、生の米ぬかや残渣が驚くほど早くフカフカの土に変わります。

ただし、米ぬか施用には注意点もあります。

生の米ぬかはタネバエの大好物です。植え付け直前に撒くと、タネバエの被害に遭う可能性が高くなります。

実践する場合は、植え付けの3〜4週間前に米ぬか(1㎡あたり500g〜1kg程度)を土に混ぜ、

水をやって透明マルチを張り、

地温を上げてしっかりと分解・発酵させてから(ガス抜きをしてから)植え付けるのがポイントです。


元肥としての化成肥料を入れる位置

じゃがいもの肥料には硫酸カリがおすすめ:溝施肥で根が伸びる場所に置く

じゃがいもは初期生育が勝負の野菜です。種イモの養分(貯蔵デンプン)を使って芽を出しますが、

それが尽きた頃に、スムーズに根から栄養を吸収できるよう、元肥(もとごえ)を施します。

一般的には「いも専用肥料」や「8-8-8」の化成肥料を使いますが、こだわりたいのが「カリ(K)」の成分です。

じゃがいもは「カリ作物」と呼ばれるほどカリウムを多く必要としますが、

一般的な安価な化成肥料に含まれるカリは「塩化カリ」であることが多いです。

しかし、じゃがいもにとって理想的なのは「硫酸カリ」です。

硫酸カリを使用すると、イモへのデンプン蓄積が促進され、

ホクホクとした食感の高品質なジャガイモになりやすいと言われています。

逆に塩化カリや窒素過多は、水分が多く水っぽいイモになりやすく、腐りやすくなる傾向があります。

ただ、この「硫酸カリ」単体は、普通のホームセンターではなかなか見かけません。

私はいつもネット通販でまとめ買いして、自家製のぼかし肥料や配合肥料の材料として使っています。

▶︎ ホクホクのじゃがいもを作るなら!「硫酸カリ」

施肥の位置についても工夫が必要です。

じゃがいもの根は種イモの下へ深く伸びますが、

新しいイモができるストロン(地下茎)は種イモより上の位置から横へ伸びます。

肥料は根が吸収するものなので、基本的には種イモと同じ深さか、それより下に施すのが理にかなっています。

おすすめは、畝の中央に溝を掘って肥料を施す「溝施肥(みぞせひ)」です。

溝施肥の場合、前述のサンドイッチ農法のように肥料に土を被せてから種イモを置くことで、

初期の濃度障害を防ぎつつ、生育最盛期にしっかり肥料が効くようになります。

畑全体にばら撒く「全層施肥」も間違いではありませんが、

肥料効率と安全性を考えると溝施肥が初心者には管理しやすいでしょう。


連作障害を防ぐ輪作と土壌管理

同じ科の野菜を同じ場所で続けて作ると、生育が悪くなったり病気が増えたりする「連作障害」が起こります。

じゃがいもはナス科の野菜なので、トマト、ナス、ピーマン、シシトウなどの後作には適していません。

これらの野菜は共通の病気(青枯病、半身萎凋病など)や

害虫(ニジュウヤホシテントウなど)に侵されやすく、

土壌中の病原菌密度が高まっている可能性があるからです。

理想的には3〜4年の期間を空ける輪作が望ましいですが、

限られたスペースの家庭菜園では難しいこともありますよね。

そんな時は、間にイネ科(トウモロコシ、ムギなど)やマメ科(エダマメ、ラッカセイなど)の野菜を挟むのがおすすめです。

特にイネ科の野菜は、根を深く張り、土中の余分な養分(特に過剰な窒素)を吸い上げてくれるため、

「クリーニングクロップ(お掃除作物)」と呼ばれます。

また、イネ科の根の周りには特定の微生物が集まり、ナス科を好む病原菌とは異なる生態系を作ってくれるため、

土壌のリセット効果が高いのです。マメ科の野菜は、

根粒菌と共生して空気中の窒素を固定し、土を肥沃にしてくれる効果があります。

どうしても連作せざるを得ない場合は、良質な完熟堆肥を多めに投入し、

土壌微生物の多様性を極限まで高めて「病原菌がいても発病しない土(静菌作用のある土)」

を目指すハイレベルな管理が必要になります。


プランター栽培での土の再生方法

プランターや袋栽培でじゃがいもを育てる場合、一番安心なのは市販の「野菜用培養土」を新しく購入することです。

新品の培養土ならpH調整も済んでおり、肥料もバランスよく入っているので失敗がありません。

しかし、毎回土を捨てるのは大変ですし、コストもかかりますよね。

もし古い土を再利用する場合は、必ず「リサイクル処理」を行いましょう。

プランターの土は、前の作物の根が残り、団粒構造が崩れて微塵(みじん)になり、通気性が悪くなっています。

また、病原菌や害虫の卵が残っている可能性も高いです。


プランター土の再生手順

  1. 不純物の除去:古い根やゴミ、鉢底石などを取り除きます。
  2. 消毒:黒いビニール袋に湿らせた古い土を入れ、口をしっかり縛ります。

    これを夏場の直射日光の当たるコンクリートの上などに1週間〜2週間放置します。

    袋の中は高温になり、太陽熱で消毒ができます。

    冬場であれば、逆にシートの上に広げて寒風に晒す「寒ざらし」を行います。
  3. 土壌改良:消毒が終わった土に、市販の「土の再生材」や「腐葉土」、

    「もみ殻くん炭」などを全体の3割〜5割ほど混ぜ込みます。

    古い土は痩せているので、新しい有機物を足してふかふかの状態に戻してあげることが大切です。

注意点として、前にナス科(トマトなど)を育てた土は、やはりじゃがいもには使わないのが無難です。

プランターの場合は土の量が限られているため、連作障害の影響が畑よりも顕著に出やすいからです。

ナス科以外の野菜(小松菜やホウレンソウなど)の土として再利用しましょう。

(出典:農林水産省『連作障害とその対策』


じゃがいもの土作り時期を逃さず豊作に

じゃがいも土作り成功のポイントまとめ:pH管理と完熟牛糞堆肥の使用

じゃがいもの土作りについて、時期ごとの作業や資材の選び方、

そして科学的なアプローチについてかなり詳しくご紹介してきました。

最後までお読みいただきありがとうございます。

土作りは、植え付けの1ヶ月前からスタートし、2週間前には有機物を、

1週間前には肥料を馴染ませるという「待ちの姿勢」が大切です。

特に、土壌酸度(pH)の管理はじゃがいも栽培の生命線とも言えます。

良かれと思って撒いた石灰が、実はそうか病の原因になっているかもしれないという事実は、

多くの初心者の方が陥る罠です。

不用意な石灰投入を避け、完熟牛糞堆肥や硫酸カリなど、

じゃがいもが本当に喜ぶ資材を選んであげることで、

病気を防ぎながらプロ顔負けの品質の高いイモを育てることができます。

もし準備が遅れてしまっても、諦める必要はありません。

サンドイッチ農法や適切な資材選びでカバーすることは十分に可能です。

今回ご紹介したポイントを参考に、ぜひご自身の畑やプランターの土の状態をチェックしてみてください。

ふかふかの土で育ったじゃがいもは、収穫の喜びも味も格別ですよ!

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